いい人生は、最期の5年で決まる

人生はいつ終わるのかは分からない。もっとも人生が終わるまで何年生きられるかというのは占いでも、医学でもだいたいは分かるかも知れないのだが、その予測も大いに外れることとはよくあることである。

そもそ自分の人生の終わりをどのようにして行けば良いのかという、いわゆる「終活」と呼ばれる動きも近年ではめざましくある。その終わりの人生をどのようにして生きるのか、本書では「5年」の区切りでもって説いている。

第1章「心配するのは、1日1時間でよいのです」
人生における「心配事」は数多くある。もっとも自分の人生が終わった後の後始末もあれば、何を残すのかと言ったことまで心配をするだけでも1日中心配することができる。しかし心配ばかりしてしまっては何も始まらない。1時間だけにして、これからのこと、そして何を残すかということを考え、実行していく必要がある。

第2章「あなたは黙っているだけで価値がある」
かつて五代目古今亭志ん生は周囲(七代目立川談志からも)から「いるだけで面白い」と言われたことがある。人間には誰しも多かれ少なかれ、または色々な価値を見出すことができる。

第3章「いい人生だったかは最後の5年で決まる」
いい人生か、悪い人生かはどのように定義したら良いかはわからない。もっとも自己満足かもしれないが、それを決めるために今の心境から幸福感、総括など様々な視点で見ていく必要がある。

第4章「死ぬのは確実、いつ死ぬかは確率」
人に限らず、動植物はいつか死ぬ。それは紛れもない真実であり、なおかつ本質であり、絶対である。しかし「いつ」死ぬかは誰にも分からない。無論自分でもである。「いつ」というのは本章のタイトルにもあるように「確率」でもあり、その確率がいつあてはまるのかすらわからないのである。

第5章「見守ってくれる人がいれば、人は強く生きられる」
人は支え、支えながら生きる。その支えももちろん人であるのだが、見守ってくれたり、支えてくれたりする人がいることによって長く、そして強く生きることができる。確かとあるニュースで孤独な人ほど短命と言った言葉を聞いたことがあるのだが、本章がそれにあたるのかしれない。

第6章「人生のお役目を生きる」
人にはそれぞれの「使命」を帯びて生きる。その使命はどのように持って生きるべきなのか、そのことを取り上げている。

人生の終わりはいつになるのかわからない。人生の終わりをどうするのか、そして1日1日をどう生きるのか、その大切さを知ることのできた一冊である。