「数字」が読めると本当に儲かるんですか?

経営や仕事を行うためにも「数字」がどうしても必要になってくる。その必要になってくる数字は経営や仕事が健全に行われているのか、相でないかも含めて行われる指針として表しており、数字を知り、改善することによって儲けにもつながる。経営としても当たり前の話であるのだが、実際にそれが「分かっている」「実行している」かどうかの違いは大きく、とりわけ後者はなかなか実行してもうまく行かないといったケースも少なくない。そのため数字のどこを読んだら良いのか、そしてどのように稼ぐのか、本書は公認会計士の立場から伝授している。

第1章「お金はあとからついてきません」
売上や黒字があるにも関わらず倒産する企業も少なからずある。もっとも倒産というと度重なる赤字や不渡りになって起こるようなイメージがもたれるだが、売上があったとしてもキャッシュフローがなっていなければ全く意味がない。もっと言うと売上があったとしても必ずお金についてくるとは限らない。

第2章「「数字」が読めると本当に儲かるんですか?」
数字と言っても色々な利益の率などを計算する必要がある。いわゆる「会計分析」という。比率から利益の幅、さらにはそこからの計算でもって儲かるための要素や課題を見出すことができる。

第3章「「儲けパワー」を高めるには、どうしたらいいんですか?」
利益を上げていくためには要素はいくつかあるのだが、単純に考えると「売上個数を増やす」「売上単価を上げる」と言ったものがある。その中における値上げや値下げによって利益はどう変わるのか、前章でも「限界利益率」と呼ばれるものがあったのだが、本章ではそれをふんだんに用いられている。

第4章「「値上げ」をしたら、天国と地獄を見ました」
値上げをすることで利益は上がるように見えて、現実を直視するとなかなかうまく行かない。もっともせっかくのものが値上がりすることによって消費者は遠のき、より安い所に行こうとしてしまうようなことがあるため、お客さんの出足が遠のき、かえって売上が落ちる危険性もある。しかし値上げをしても売上を伸ばすようなケースもあるため、天国でも地獄でも見ることのできる「諸刃の剣」である。その剣を味方にするための見極めを取り上げている。

第5章「「数字」が読めると本当に儲かりました」
数字を読むことによって費用・売上・資産・負債など様々な数字を知ることができるようになる。「読める」ことの一つとしてそのまま読むだけでなく、比率を分析することによって会社の健康状態を知ることにより、改善策を見出し、設けることにつなげることができる。

経営にとって数字は大事である。それは「今」や「課題」を知ることができるようになり、なおかつ行動への指針とすることができる。会計というと机上の空論のように見えながらも、本書は経営者と会計士の対談によって数字に血が通うようになる。だからでこそ実践的に数字を知ることのできる大きなきっかけとなる。