ボウリングの社会学

私自身ボウリングは数えるほどしかやったことがない。初めてやったのは高校に入ってからのことであり、高校の時に2~3回、大学の時も2~3回くらい、そして社会人になってからは4ヶ月ほど前に行ったのが初めてである。元々ボウリング自体は大の苦手でベストスコア自体も2桁であり、なおかつガーターを出すことも多々あった。

私事はここまでにしておき、本書はかつてボウリングが誕生し、社会現象となるほどブームとなり、そして今となってはスタンダードとなっていった経緯と社会の変化を取り上げている。

第1章「ボウリングはどのように広まったか」
元々ボウリングが日本で初めて行われたのは幕末にあたる1861年長崎の居留地でボウリング場がオープンしたことにある。その時は官営といったどちらかというと公的機関でつくられたボウリング場だった。民間のボウリング場がつくられたのは1952年と大東亜戦争後の時である。その時はそれ程ブームではなかったのだが、高度経済成長期につれて一大ブームとなっていく。

第2章「ボウリングブームの衝撃」
1970年前後にはプロボウラーが次々と生まれ須田開代子・中山律子らといったスター選手が出てきたことにより、数百メートルごとにボウリング場が出てくるようになった。ボウリング場によっては朝4時まで営業している所もあった。しかしブームの熱はあっという間であり、1972年を境に下火となっていった。

第3章「関連団体によるイメージをめぐる駆け引き」
関連団体は「レジャー」と呼ばれるような団体や、プロボウラーとの戦いを表すプロの団体などがある。それらボウリングに対するイメージや競技人口を広げるための対策を講じている。

第4章「流行の終息と復活」
流行の終息の原因として「遊び」などの多様化にある。そのことからボウリング場も現状の一途を辿っていったのだが、参加しやすさもあり、人気を復活するようになり、安定したものとなっていった。

第5章「多様なボウリング場の実際」
現在となってはボウリング場専門ではなく、それ以外のスポーツを楽しむことができる複合レジャー施設の一つとして挙げられるようになった。

ボウリング自体は数えるくらいしかやっていないのだが、そもそもボウリングはスポーツ・レジャーとして確固たる地位を築き上げたと言っても過言ではない。その社会背景と姿がここにある一冊と言える。