テュポーンの楽園

東京の郊外にある人口わずか900人の街だった。しかし東京にある「集落」と言えるところであり、文化・慣習も異なるのかも知れない。

しかしその「異なる」と言うよりもむしろ「異常」と呼ばれるような事件が起こってしまった。それは「洗脳」と呼ばれるようなものだったという。その洗脳事件を巡って警視庁や自衛隊も駆けつけ、解決への道筋を探るようになる。

もちろん本書の舞台は東京都であるのだが、集落自体は架空のものである。架空の集落からSFもあり、ホラーもあり、それでいてミステリーを持ちながら事件が紡がれるという小説である。

ミステリーであるのだが、その面でひと味ふた味も違うのだが、ミステリーをガッツリと読みたいのであれば本書はかなり適している一冊である。様々な要素が絡み、分厚いのだが、一気に読んでいくと、変化に富んでおりなかなか面白かった。