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2018年4月

14歳のバベル

旧約聖書の「創世記」に「バベルの塔」なるものがある。それは、 「1.ノアの大洪水後、人々が築き始めた天に達するような高塔。神はこれを人間の自己神格化の傲慢として憎み、人々の言葉を混乱させ、その工事を中止させたという。  2.転じて、実現の可能性のない架空的な計画。」(「広辞苑 第七版」より) とある。本書はもちろん小説なので1.の意味に限りなく近いのだが、そのバベルについて14歳の男の子が見た夢が […]

テュポーンの楽園

東京の郊外にある人口わずか900人の街だった。しかし東京にある「集落」と言えるところであり、文化・慣習も異なるのかも知れない。 しかしその「異なる」と言うよりもむしろ「異常」と呼ばれるような事件が起こってしまった。それは「洗脳」と呼ばれるようなものだったという。その洗脳事件を巡って警視庁や自衛隊も駆けつけ、解決への道筋を探るようになる。 もちろん本書の舞台は東京都であるのだが、集落自体は架空のもの […]

人間の値打ち

人間には色々な「値打ち」があるという。その値打ちを決めるのは周囲なのか、じぶんなのかはわからない。しかしその値打ちを知ることは果たして必要なのか、そしてそれを自分・他人が下すことによって心的な病を持ってしまうことにもなりかねない。果たして価値や値打ちを持つべきなのか、そうなるのであればいったい誰がそれを決めるのか、そのことを論じている。 第一章「人間の「値段」と「価値」について」 人間としての価値 […]

穴 HOLES

単純に穴を掘るだけの一冊だけであるかも知れないのだが、本書が紡ぐ物語は単純に穴を掘るだけではとどまらない。穴を掘ることを巡って様々な「罪」と向き合い、乗り越えていく。 その「罪」はどこから来ているのか、本書で出てくる少年たちの数だけある。しかし主人公はむしろ「無実の罪」を着せられたのだが、その「無実の罪」自体が「罪」としてカウントされているのかも知れない。それはキリスト教として存在している「原罪」 […]

防衛大流 最強のリーダー

組織にはリーダーがおり、そのリーダーの力によって組織は大きく変わってくる。本書は日本の国防を担う方々を育てるための「防衛大学校」の教育のあり方と、それを参考としたリーダーのあり方とはどうあるべきなのか、そのことを伝授している。 1.「信頼力―自己保身は最弱のリーダーをつくる」 リーダーだからでこそ組織内外からの「信頼」を持つことが必要になる。その信頼を持つためには自分自身のことを顧みるばかりではな […]

噺のまくら

本書は著者である六代目三遊亭圓生が逝去して8年経ったときに初めて出版されたものを復刻した一冊である。「昭和の名人」と言われ、古典落語の真髄を極めた噺家は「圓生百席」をはじめ、数多くの落語がCDにて収録されており、今となってはDVDをはじめ、YouTubeにも圓生の一席が数多く収録されているほどである。 落語の中には本題に入る「演目」を始め、噺をはじめる前に時事的なことをあたかも漫談のように話す「ま […]

カラー版 パタゴニアを行く

南アメリカ大陸の中で南緯40度付近にある地域であり、ちょうどチリとアルゼンチンに跨がる地域であり、アンデス山脈やホーン岬まで含まれる広い地域である。この地域は海・山もあればスコールのある地域もあれば、砂漠も存在する。日本にあるようなモンスーンも存在しており、春夏秋冬の味わうことのできる地域でもある。その地域は東西南北それぞれあるのだが、いったいどのような特色があるのか風景・スポットの写真とともに取 […]

ボウリングの社会学

私自身ボウリングは数えるほどしかやったことがない。初めてやったのは高校に入ってからのことであり、高校の時に2~3回、大学の時も2~3回くらい、そして社会人になってからは4ヶ月ほど前に行ったのが初めてである。元々ボウリング自体は大の苦手でベストスコア自体も2桁であり、なおかつガーターを出すことも多々あった。 私事はここまでにしておき、本書はかつてボウリングが誕生し、社会現象となるほどブームとなり、そ […]

感情8号線

見るからして「うまい!」と思わせるようなタイトルである。もっとも「東京都道311号環状八号線」の略称である「環八」のうち「環状」を「感情」と変えているからである。しかしその本書のタイトルの捩り元である「環八」が本書の物語の舞台となっている。 そもそも環状八号線は電車では遠回りになっているにもかかわらず、直線で歩いて行くと近道になる。電車で楽に行こうとしても色々な紆余曲折があり、しかしちょっと歩こう […]

超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト

AIの進歩が止まらない。その止まらないなかで仕事をAIで行うような風潮が出てくるようになり、識者の中には仕事が何割か少なくなるといった論調も出てくるようになった。 もちろん進化に淘汰されてなくなった仕事は古代からの歴史を紐解いていくと数多くあり、そういったことは自然の摂理にもにているところがあるのだが、その中で生き残ることもまた必要なことである。本書はその生き残るための戦略と考え方を伝授している。 […]