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2018年5月

クリーンダッカ・プロジェクト―ゴミ問題への取り組みがもたらした社会変容の記録

バングラデシュは発展途上国の一つであり、なおかつ新興国の一つである。経済成長や人口増加も目覚ましく、特に首都であるダッカではそれが顕著となっている。その一方で環境問題、その中でも「ゴミ」に関する問題が深刻になっている。もっともその「ゴミ」に関する問題は日本に限らずどこの国にもあるのだが、社会的事情や経済、宗教など背景は様々である。本書はダッカのゴミ問題を解決に導くための「クリーンダッカ・プロジェク […]

世事は煙の如し 中短篇傑作選

本書のタイトルの一部である「世事」とは、 「1.世の中の事。処世の事。  2.僧が、通常の食事以外にとる食事。  3.世帯のこと。家事。また、食事。」(「広辞苑 第七版」より) とある。食事という意味合いが多いのだが、実際には「家族」や「世帯」といったものがあり、男女の関係を表している。男と女の関係は全く関係ないように見えて恋人同士や夫婦など、紐解いていくと色々とある。 本書は男女関係を基軸にした […]

AIに心は宿るのか

AIの技術は目覚ましく、最近では将棋・囲碁などの世界でも人間を凌駕するようになってきた。そのことによって技術革新が行われている。さらに言うと最近に至っては小説もAIによってつくられ、星新一賞の審査に通過したことが挙げられる。本書はそもそも「AI」の技術はどこまで進化するのか、そしてその技術には「心」が宿るのか、その本質を迫っている。 第1章「“AI作家”は、生まれるのか」 冒頭にも書いたのだが、A […]

スペース金融道

見るからに奇天烈なタイトルであるのだが、宇宙で金融を行っている人々がどのようなことを行ったのかを描いている物語である。SFの要素もあるのだが、コメディの要素が非常に強い。というのはナンセンスな物語でありつつ、なおかつ金融関係の言葉が次々と出てくる。 物々しいような言葉が出てくるのだが、悪さや怖さと行ったものがほとんどないのも不思議であるのだが、もともとSFであり、ナンセンスの要素がふんだんに盛り込 […]

不寛容社会 – 「腹立つ日本人」の研究 –

ここ最近では社会そのものが「不寛容」になっているように思えてならない。一つの意見があると言っても「賛否両論」があるのは必然としてあるのだが、そもそも賛否両論の中には「不寛容」な要素があり、その不寛容さが社会そのものをギスギスしたものにしている。もっともなぜ「不寛容」な社会が生まれたのか、そのことを分析している。 第1章「他人を叩かずにいられない日本人」 今色々なメディアでは、どこもかしこもどこか、 […]

GO! GO! アリゲーターズ

本書の表紙を見るとワニのような形をしたバスに、野球のユニフォームを着た人がいる。草野球チームかと思いきや、実は異なり、地方球団であるという。華々しいプロ野球と言うよりは、「独立リーグ」と呼べるようなところの弱小球団であるという。その球団に人生に迷いそうになった人が拾われるようになった。 しかし本書の主人公は女性なので選手ではなく、球団の事務職員やマスコットなど、いわゆる「雑用」として裏から支えるこ […]

カラダの知恵 – 細胞たちのコミュニケーション

人間にはカラダがあるのだが、そのカラダには見えるものと、見えないものがある。その中でも後者にあたるものとして「細胞」や「信号」、さらには「心」と言ったものがある。それら見える・見えない両方ではどのような知恵やコミュニケーション、あるいはメッセージがあるのか、そのことを取り上げているのが本書である。 Ⅰ.「身体的コトバ」 まずは身体的な部分で表しているメッセージ・コトバを取り上げている。白血球から活 […]

17歳のうた

あなたの17歳はどのような人生だったのか。多くは高校生として青春を謳歌していると思う。かくいう私自身も高校生で、それも部活にのめり込んでいたため、部活の思い出が数多くあった。 本書の主人公は17歳であるのだが、舞妓として働く少女、漁師になるために修行をする少女、ローカルアイドルとして活躍する少女など、17歳の少女を中心としている。 少女たちだけの人生を描いた短編集のように思えるのだが、共通している […]

FP大家だけが知っている 資産形成に中古ワンルームを選ぶと失敗しない理由

ここ最近「不動産投資」にまつわる本が多い。もっとも自分自身の書評もそれが多いのだが、書店に足を運んでみると不動産投資に関する本の種類も増えているのは否めない。その理由とは老後対策として、資産形成を行う、あるいは安定した収入を得ることができることから「不動産投資」が注目視されるようになった。不動産投資というとハードルが高いのだが、資産形成を行うためにコツがあればできるというのだが、本書で言うところの […]

CHANGE~エリートへの道を捨てても僕が欲しかったもの~

サンライズパブリッシング様より献本御礼。 一昨年から彗星の如く現れ、出版界のみならず、ビジネスの世界でもトップランナーの一人となっている著者であるのだが、著者の人生は必ずと言ってもいいほど順風満帆なものではなく、むしろ「波瀾万丈」といった言葉が似合うような人生であった。著者の人生を赤裸々に綴りつつ、本当の「自由」を追い求めることの本質を明かしているのが本書である。 第1章「両親の離婚・勉強のできな […]