ドキュメント 日本会議

かつて「日本会議」と呼ばれた団体がメディアで話題となった。保守思想の団体であり、現首相である安倍晋三を支持している団体として言われているのだが、実際にはどのような思想を持ち、なおかつ生まれたのか、知られざる歴史と団体の中身について取り上げている。

第1章「発端―打倒全学連」
本章のサブタイトルにある全学連(全日本学生自治会総連合)は1948年に結成され、その後安保闘争や大学紛争に関わった。その全貌について当ブログの「1968年を知らない人の『1968』」に書いてある通りである。その全学連への不信感が右翼や民族派といった論者の誕生となった。その人物の中にはジャーナリスト・鈴木邦男もいた。

第2章「転機―三島事件の衝撃と脱教祖」
保守思想を求める人物は広がりを見せたのだが、そういった保守思想の広がりにも一つのきっかけがあった。「金閣寺」などで有名な作家・三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地内にてクーデター未遂を起こし、割腹自殺をした「三島事件」があった。その事件は保守しそうに大きな影響を与え「新右翼」なるものが出てき始めた。

第3章「「神聖なる国家」という思想」
日本会議については批判をしている論者もいるのだが、本書はあくまで日本会議を批判するのではなく、日本会議はどういう存在なのかを明かしている。批判論者の中には的外れな批判をしているため、本章にて反論をしている。

第4章「教育「正常化」運動―憲法改正の前哨戦」
教育の正常化とは何か、そこには「歴史教育」がある。それを改革するための基礎として「教育基本法」の改正があった。それは第一次安倍政権のなかでなし得たことであるのだが、あくまで第一歩であり、そこからさらに発展する必要があるという。それは憲法改正に向けた前哨として成り立っているという。

第5章「靖国神社「国家護持」」
続に「右翼」と呼ばれる思想団体、あるいは保守思想を持つ団体の多くは靖国神社参拝をすることを是としている。もっとも靖国神社参拝にしても保守思想が仕掛けたと言われている。

第6章「日本会議、結成」
いよいよ日本会議が生まれるのだが、そこで出てくる人物の一人として作曲家で、なおかつ現在も放送されている「題名のない音楽会」の初代司会者である黛敏郎の存在である。黛は先述の番組にては現代的な音楽を取り上げる一方で、自身の政治思想を反映している音楽を取り上げることも多く、お蔵入りになることも少なくなかった。

第7章「揺れる思想」
全学連にも「内ゲバ」があるような内部紛争や批判があったが、日本会議でも同様なことが起こった。同じ保守思想を持つ団体でも団体ごと、あるいは内部による対立により思想の相違がうまれることがあったという。

日本会議は前々からあったのだが、その誕生から保守思想はどのように変わっていったのか、さらに保守思想の関わりにどのような影響を及ぼしたのか、長きにわたって取材を続けてきた記録がここにある。

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