童謡の百年

童謡というと、幼稚園から小学生にかけて多くの人が歌われる。もっとも自分自身もその時代に多く歌ったことを記憶に残っている。童謡を歌っていくと、日本の春夏秋冬をはじめとした風情を歌で知ることができる要素が多々ある。もっとも童謡自体100年の歴史があるのだが、そもそもなぜ童謡が誕生して、子供たちに広く歌われるようになったのか、そのことを取り上げている。

第一章「童謡の“誕生”」
童謡は簡単に言うと「わらべ歌」と言われており、明治時代以前からも広く歌われるようになったのだが、明治時代に入り、教育など国家的な要素が数多くつくられ、そして歌も「文部省唱歌」なるものが生まれていった。

第二章「サウンドとしての童謡と児童歌手」
童謡のサウンドは極めて平易である。その理由として子どもが歌いやすいように仕上げているのだが、そもそも童謡のサウンドの特徴とは何か、そして唱歌との違いとは何かを取り上げている。

第三章「童謡の同時代性」
童謡は時代とともに進化している。その一方で普遍的であり、なおかつずっと歌い続けられている童謡もある。しかしいずれにしても子供たちが触れている時代において童謡は必ずと言ってもいいほど存在するという。しかもその中には歌謡曲やJ-POPとして扱われることもある。

第四章「「古い歌」の成立」
ここ最近ではJ-POPをはじめとして様々な歌が歌われている。そのためか童謡が「古い歌」と言われることもある。これはとある新聞の社説として童謡をそう定義したことにある。

第五章「『ちびっこのどじまん』は何を変えたか」
「ちびっこのどじまん」は1955~1969年にフジテレビにて放送された視聴者参加型の歌番組である。NHKで行われている「のど自慢」の小さい子バージョンと言った方が良いかも知れない。その番組の中では「ちびっこソング」なるものがあり、童謡に近いくらいやさしい歌が存在した。

第六章「三つの『二十四の瞳』が伝えるもの」
「二十四の瞳」は1954年に木下惠介監督にて製作・上映された映画であり、1987年に朝間義隆監督により再映画化されるほどであった。戦争の苦難と悲壮さを描いた映画であるのだが、その映画には童謡や唱歌との対立が映し出されているという。その本質とは何かについて考察を行っている。

第七章「具象化される「日本人の心のふるさと」」
童謡には日本の心が詰まっている。しかもその歌にも様々なルーツがあり、場所によっては歌碑や像まで存在する。地域に特化した童謡まで存在しており、童謡は思っている以上に深い。

童謡ができて100年となるのだが、その時代の中で童謡も変化しているのだが、それは映画や映像の中の「文化」と呼ばれる中に潜んでいたものなのかも知れない。