おちゃめな老後

老後を迎えること、なおかつ老後の生活は「あっという間」と言うことを以前聞いたことがある。しかしあっという間だからでこそ老後を幸せなものにしていくことが大事になってくるのかも知れない。

本書はイラストレーターでエッセイストの著者の老後生活を自ら綴っている。「カワイイの元祖」の肩書きに逆らうことなく、今年2月で傘寿を迎えても「おちゃめ」であり、なおかつ若々しいファッションかつ生き方をしているようでいてならない。

若々しいファッションは、人によっては痛々しい印象を持たれるかも知れないのだが、「カワイイの元祖」と言われているだけあって、「いつになってもカワイイ」という印象が強くあり、本書の中にも著者自身にてコーディネートしたファッションが写真として出ている。また「りぼん」「なかよし」の初期においてのデザインを手がけただけあり、かわいさと暖かさのあるイラストも掲載されており、「カワイイ」とは何かを絵でも、写真でも、文章でも体現している。いつになってもキレイで、カワイクありたい、そのメッセージがエッセイを通じてありありと伝わってくる。