IoTは日本企業への警告である―――24時間「機械に監視される時代」のビジネスの条件

すでに「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」はもうわたしたちの生活の中に浸透しており、いわゆる「スマートライフ」の中核を担うものとなっていくことになりつつある。家電量販店に足を運ぶことがあるのだが、IoT対応の家電製品もよく出てきているほどである。しかしながらそのIoTにもセキュリティの観点でのリスク、さらにはビジネス展開など課題を抱えている。さらには「監視」というような観点でのリスクがあるとも著者は本書でもって主張している。

第1章「IoTとは何か―あなたの身近なものでIoTを定義する」
IoTは冒頭でも述べたのだが、家電製品をはじめとした、インターネットとは無縁のものを「インターネット」を通じてコントロールするようにできる。先駆けとなったのは「電話」、つまりは「スマートフォン」である。そこから様々な機械がインターネットに対応するようになっていくこととなった。

第2章「IoTはすでにここまで増殖している」
家電製品のみならず、最近では車、業務的な観点からは航空機エンジンもインターネットを通じてコントロールできるようになった。他にも様々な機器で「IoT」化が進みつつあり、増殖の歩はとどまることを知らない。

第3章「セキュリティ暗黒地帯からの脱却」
しかしそこにも「リスク」は存在する。最たるものとしては「セキュリティ」である。最近ではサイバー攻撃・サイバーテロというようなことで企業や政府のHPなどが攻撃に遭うといったニュースもちらほら見かける。もちろんIoTでもサイバー攻撃を受けるリスクがあり、なおかつコンピュータよりも危険な様相を見せる。理由として機械の暴走により、あたかもSF小説や映画の如く機械の反乱が起こる可能性もゼロではない。

第4章「今、IoTに必要な「セキュリティの十戒」」
セキュリティを強固なものにするためにはどのようなものが必要なのか、それを「十戒」として定義されており、それぞれどのような要素が必要なのか、IoTに当てはめて取り上げている。

第5章「日本企業のチャンスはどこにあるか」
IoTの登場は様々な面で進化を見せると共に、著者は危機感を持っている。それは「仕事を機械に奪われる」というもの、さらには技術的に海外が先行し、日本が遅れを取るといったものがある。その2つの側面で日本にチャンスがあるのかどうか見定めている。

第6章「IoT時代の日本のリーダーシップへの警告」
IoTのリーダーシップを持つにあたり、セキュリティ的な観点を中心に警告をしている。第4章などで取り上げたセキュリティ面での総括を本書で行っているとも言える。

IoTは進化の一途を辿っており、なおかつ私たちの生活にさらに浸透していくこととなるだろう。もちろんリテラシーが必要であるのだが、それ以上にセキュリティの面で考えるべき事、実行すべきことがある。そのことを提示している一冊と言える。