貧乏モーツァルトと金持ちプッチーニ

サンライズパブリッシング様より献本御礼。
私自身、クラシック音楽が好きであり、色々な曲を聞きながら何かやることが好きでもある。もっとも本書のタイトルにあるモーツァルトは好きな作曲家の一人であり、なおかつプッチーニは自分自身が最も好きなオペラの作曲家でもある。

私事は置いといて、本書はあくまで「喩え」であり、「知的財産」にまつわるビジネスの戦略について、そのイロハはもちろんのこと、それを専門にしている分野が成長していくための方法を提示している。もっとも本書のタイトルにあるモーツァルトとプッチーニについては亡くなった後の扱い方の比較を喩えとしている。

第1章「音楽と絵画に学ぶ金持ちと貧乏の才」
音楽にしても絵画にしても、才能は存在しているのだが、その才能でお金持ちになる、ならないの差が出るのかというとそうではない。もっとも才能を「ビジネス」という形でつなげて財を成すことができるのかの違いであるという。

第2章「印税、商標、著作権が生むお金の話」
音楽や絵画を始め、本にしても印税が入るようになる。さらにはブランドを生み出すと申請をする事で商標権を得ることができる。さらには最初に述べたものには「著作物」があり、著作権が生まれるようになる。それらをいかにして活かすことによって財産をお金に換えることができる。そのため知ること、そしてそれを活かすことが大切になる。

第3章「知財ビジネスモデルの勝ちパターン」
「知り、活かす」元として「知財ビジネス」があるのだが、そのビジネスモデルをいかにして構築していくのかのノウハウを提示している。もちろん単純に提示するだけでなく、勝ちを得るためのビジネスモデルの構築を中心としている。

第4章「地域のアドバンテージをマネーに変える錬金術」
知財ビジネスは地域のアドバンテージを得ることができ、なおかつそれを稼ぎに変えることが出来るようになる。その稼ぎをいかにしてつなげていくのか、そのことを提示している。

第5章「知財財産の価値が見えない日本企業」
知的財産はビジネスの要素にもあるのだが、その価値すら分からず、みすみす逃していくのが日本企業の実態であるという。その実態からいかにして知財にとしての認知をひろめらせるか、そのことを提言している。

知財ビジネスをいかにしてつくり、なおかつ勝つためにどのようなことをすべきか、かつての大作曲家であるモーツァルトとプッチーニを喩えに出していること、そして知財ビジネスの重要性をより深く知ることのできる格好の一冊である。