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2018年7月

丘の切り株

著者は昭和5年生まれであり、現在おそらく87~88歳といったところである。長い人生の中でサラリーマン生活を送る、あるいは家族の生活を送り、その子供たちが結婚して、さらに孫までできた。 現在著者は私と同じ鎌倉市に在住しているという。その在住していた中で自分自身が送った人生を振り返る、そして伝えるために自叙伝として本書にて綴っている。 著者自身は人生をなぜ本書のタイトルのように喩えたのか、そこには自分 […]

秋田犬

今年の2月に行われた平昌オリンピックにおいて、フィギュアスケート女子にて金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワが秋田犬が欲しいという声に反応した秋田犬保存会が5月にザギトワにメスの秋田犬が送られたことで話題となった。それに限らず、2012年にはロシア大統領であるウラジミール・プーチンに東日本大震災の返礼として秋田犬が送られたことで話題となった。 日本犬の中でおそらくもっとも世界的に認知されている秋田 […]

あさ美さんの家さがし

人間生活の上で最も重要な要素として「衣食住」がある。その中でも「住環境」は、日本においては充実したものであるのだが、それにもピンからキリまで存在しており、住環境で幸せを得る人もいれば、逆に不幸を被ってしまう人もいる。中には「ホームレス」や「ネットカフェ難民」などがあるように、住環境すらままならない人も少なくない。 本書はその住環境において、様々な形態で住む人たちを物語として綴られている。方やタワー […]

ルポ 不法移民――アメリカ国境を越えた男たち

「移民」に関する話は4~5年ほど前からずっとあったのだが、その時はISILにより中東諸国が欧米を中心として大量の難民が移民申請をするような事態になったことが挙げられる。本書はその移民問題ではなく、アメリカにおいて長らくはびこっている「不法移民」を取り上げている。トランプ政権ではその「不法移民の強制生還」を政策の一つとして掲げられていたのだが、そもそも不法移民はなぜ移民をしたのか、そしてどのような生 […]

繁栄の昭和

昭和は元号の中で最も長くあった。その時代は大東亜戦争といった戦争を乗り越え、敗戦の悲しみに打ちひしがれても、経済的な復活を遂げ、現代における技術が次々とできはじめた時代であった。そのため大東亜戦争後は本書のタイトルにある「繁栄」と呼ばれる時代であった。 その時代を生き、活躍した方々は数多くいるのだが、その著名な人物の一人として小説家であり劇作家である筒井康隆もその一人である。「時をかける少女」や「 […]

フリーバード 自由と孤独

著者の谷口氏より献本御礼。 海外で活躍する日本人は数多くいる。中には日本国籍を捨て外国国籍で活躍する日本人もいる。有名どころでは2014年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二教授もその一人である。 本書の話に移るのだが、本書は「天国にいちばん近い島」として知られるフィジー共和国にて学園をつくり、活躍している著者の生涯を綴っている。 第1章「スピード違反」 そもそもフィジーに渡るきっかけとなったのは […]

車いす犬ラッキー 捨てられた命と生きる

足が不自由になり、日常に支障を来すのは何も人間ばかりではない。動物もまた、不自由な人生を送ることがある。その不自由な中で捨てられた命を人間が拾い、生き延びることができた犬がいる。その犬は車いすをつけて生きることとなったのだが、そこには生と死のはざまを生きることとなった。その犬と人間との関わりについてのノンフィクションの物語を綴っているのが本書である。 第1章「車いすの犬」 その車いすのついた犬は「 […]

儒教とは何か

「儒教」は韓国や中国など、東アジアを中心に伝えられている「思想」である。実際に宗教なのかというと本書にて紹介するが、信仰の対象と言うよりも倫理的な基準として表されていることから、必ずしもそうとは言えない部分が多くある。もちろん日本でも「儒教」の教えが浸透している部分があるのだが、果たして儒教はどのように成り立ち、そして東アジアの人々に根付いているのか、その部分について取り上げている。 なお、本書は […]

おちゃめな老後

老後を迎えること、なおかつ老後の生活は「あっという間」と言うことを以前聞いたことがある。しかしあっという間だからでこそ老後を幸せなものにしていくことが大事になってくるのかも知れない。 本書はイラストレーターでエッセイストの著者の老後生活を自ら綴っている。「カワイイの元祖」の肩書きに逆らうことなく、今年2月で傘寿を迎えても「おちゃめ」であり、なおかつ若々しいファッションかつ生き方をしているようでいて […]

ニュータウンの社会史

ニュータウンは文字通り「新しい街」を意味している。しかし日本で言う所のニュータウンはオフィスのある都心から電車にて数分~数十分言った所につくられ、住宅地などを中心につくられるようになった。その周囲には鉄道や道路ができ、一つの街がつくられ、栄えてきたのだが、その歴史を経て「老朽化」の波があるという。ニュータウンの現状と歴史、そしてこれからについてあぶり出したのが本書である。 第1章「病理と郊外―社会 […]