さよならクリームソーダ

クリームソーダというと甘ったるい印象が強く、私自身成人になってからはめったに飲むことはない(とはいえ同じくらい甘ったるいガラナは好きであるのだが)。もちろんクリームソーダに喩えられるほど、恋愛が甘かったり、青春を謳歌しているという要素として出されることがある。

本書はその甘い恋愛と炭酸ならではの刺激が入り交じった印象が強くあった。もちろん恋愛小説であるのだが、その恋愛模様がまさに「クリームソーダ」に収斂されている気がしてならなかった。

文章自体も読みやすく、青春的な展開もある意味ベタな印象はあるものの、そのベタさが作品を引き立たせている節があり、これぞ「青春小説」と主張している感が強く表れており、王道の中の王道とも言える物語であった。