総介護社会――介護保険から問い直す

今でこそ「超高齢社会」と呼ばれており、それとともに被介護者が増えていき、「総介護社会」と呼ばれるようになった。その社会を生き抜くためには介護の現場や保険のことを理解する必要があるのだが、その理解をする要素とは何か、仕組みや現場などを取り上げている。

1章「介護保険を利用する人たち」
介護認定は「要支援」や「要介護」といったものがあり、レベルの違いはあれど認定を受けられるようになることで介護保険が下りるようになる。それらを利用する方々の多くは80代以上であり、なおかつ半数以上は認知症患者であるという。

2章「介護現場で働く人たち」
「介護」にまつわる現場は施設・自宅双方であるのだが、その環境はメディアにおいて「過酷」というネガティブな印象が強くある。その現場において人材はどうなっているのか、そして課題と対策はどのように行うべきかを取り上げている。

3章「介護保険のしくみ」
介護保険に限らず、保健は単純なものではない。保険に加入をするにしても、理解をするにしても、適用を受けるにしても、複雑な手続きが必要である。複雑であるのだが、「しくみ」を理解する必要があるという。

4章「介護保険の使い方」
その保険をいかにして使っていくのか、認定に申込む方法はもちろんこと、結果をどのようにして受け止めていくのかを取り上げている。

5章「介護保険にかかるお金」
介護保険にかかるお金はバカにならない。もっともお金にしてもヘルパーはもちろんのこと、食費や介護施設の居住費、さらには医療費に至るまで多岐にわたる。そのため介護保険が下りたとしても、お金をどのように使う方法なども取り上げている。

6章「なぜ、サービスは使いづらいのか」
介護保険はもちろんのことヘルパーや介護施設のサービスは「使いづらい」のだという。その使いづらい要因としてはどのようなものがあるのか、その要因と対処を取り上げている。

7章「介護保険を問いなおす」
介護保険にも課題は存在する。もちろん今の介護の現状と社会に対応し切れていないような現状も少なくないのだが、その要因とできることとは何があるのか、そのことを提示している。

介護保険は今の社会で必要な保険の一つである一方で変わっていく必要のあるものである。それと同時に介護の現場も変化を求められている。現状と課題、そしてそこから見えてくる者も間違いなく存在するのだが、それらが全て明かされているのが本書と言える。