さらば大樹の陰

サンライズパブリッシング様より献本御礼。
本書における「大樹」は会社のことを表し、その「陰」はその傘に隠れながら働くという人のことを表すのかも知れない。しかしその大樹の陰に隠れることによって安定した生活を送ることができるのかというと、必ずしもそうとは言えない。一つの理由として「ワーキングプア」と呼ばれるものが今もなおある。

大樹の陰に隠れて生きていくよりも、独立を行い、なおかつ自分自身の考えで稼ぎ、自由を手にい入れた著者のプロセスを自ら綴っている。

第一章「丸の内で見た景色」
私自身、丸の内で仕事をしたことがあり、なおかつ、買い物に行くこともたまにではあるのだが、ある。東京駅の北口を出た丸の内の景色はまさに「オフィス街」そのものであるのだが、その街は連日サラリーマンたちが出勤のために出歩くことが多い。その中で著者はなぜ働くのか、そして社会人の中での新人から独立に至るまでのあらましを取り上げている。

第二章「学生時代の携帯販売バイト」
学生時代からアルバイトで携帯販売を行ったのだが、その代理販売ではよくいるサラリーマン以上の稼ぎを得ることができたのだが、そのアルバイトでも様々なことがあったのだという。

第三章「大和ハウス工業から再び光通信、オリンパスへ」
学生生活終了後、新卒で大和ハウス工業に入社したのだが、社風に合わず、学生時代に働いていた会社に戻った。さらにその会社を経て新しい会社に転職をするのだが、その中で働くこと、稼ぐこととは何かを考え、行動に移していた。

第四章「さらば大樹の陰」
会社の陰に隠れて生きることもまた人生であり、安定しているように見えて、その人生が本当に良いのかという問いもある。私も含めて様々な人はそう考えることが多くあるのだが、その考えから独立に向けて行動すると言った人もいる。様々な角度における「自由」を目指して独立するためのことを取り上げている。

第五章「不動産会社設立」
著者は大樹の陰を離れ、自由を求めて不動産会社を設立した。不動産投資を行い、さらなる自由を求めて会社を興したのだが、その中でのエピソードを綴っている。

人は誰しも自由を求める。その自由を求めることの「答え」は人それぞれ異なる。異なる回答の中で著者は「独立」を行った。大樹の陰に隠れることは楽なことかも知れないのだが、必ずしも「安定」でなく、「自由」とは言い難い。だからでこそサラリーマン以外の選択肢を求めることの大切さを著者の自伝から述べている。