難民鎖国ニッポンのゆくえ

数年前に、世界中で中東をはじめとした難民が西洋諸国に流れ込むというような出来事があった。それが世界的に報道され、とりわけヨーロッパ諸国では対応が二分するようなことがあり、イギリスのEU脱退の要因の一つにもなった。

では日本では難民の受け入れは行っているのかと言うと、行っていると言えば層であるのだが、実際には難民認定を受けている人はほとんどいないに等しいという。その日本における難民事情はどのようなものなのか、そして難民受け入れについて日本はどう変わるべきか、国連にて難民支援を主として行ってきた著者だからでこそ言える一冊である。

第1章「ニッポン国内の難民事情」
日本国内の難民申請は1951年を参考につくられているのだが、実際に難民申請までの流れはどうなるのか、そして認定された方々、そして申請した方々はどのようになるのかを取り上げている野だが、実際に難民認定を受けた人は多くても年に57人ほどで、実際の申請した人の5%にも満たないほどである(申請者は右肩上がりで2012年では2545人もいる。p.55及び、「入国管理局統計」より)

第2章「彼女が「難民」になるまで」
本章ではある女性が難民申請を行い、難民になるまでのプロセスを追っている。もっとも難民認定を受けるまでが長く、なおかつ人によっては全国に2カ所ある入国管理センター(本書では3カ所と紹介されているが、2015年9月に大阪府茨木市にある西日本入国管理センターが廃止されたため)に入所することもあるという。難民になるまで、さらには申請前後を見ても、私たちにとっては想像を絶するような体験をしてきたことがよく分かる。

第3章「難民同士、そして日本人がつながる」
難民同士のつながりもあり、それぞれ境遇は違えど、同じ仲間として受け入れ、つながっていくこともあった。また難民になったことを通じて、日本人との関わりを持つようになり、様々な体験を行うこともあったという。

第4章「新しい難民受け入れのかたち」
難民申請に関する制度は今もなお課題として残り続けているのだが、それが改善される動きはあるのかというと、様々なメディアを通してもあまり聞かない。しかしながら難民の受け入れのかたちを改めることもまた一つの国際貢献であるとし、その在り方を本章にて提案をしている。

本書を読んでいくと、本当の「国際貢献」とはいったい何なのかというのを考えてしまう。もちろん人によっては難民受け入れを反対するような意見を持つのもあるのだが、もっとも日本としてどのような立ち位置であるべきか、難民受け入れの観点ではあるのだが、考えさせられるような事が多々あったと言える。

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