水道の民営化・広域化を考える

ここ近年では電力やガスといったインフラが自由化となり、特に電力の発電・販売に至ってはさまざまな業者が参入した。しかしながら水道に至っては現時点で自由化はなっていない。その理由は私にもわからないのだが、自由化にするにあたって何らかの課題があるのかもしれない。

話を本書に移す。本書は水道の管理・保守は、現在特定の水道事業者・施設によって管理されている。しかもそれは市町村と言った「行政」によって管理された所であるのだが、2018年に「水道法」が改正され、「広域化」や「民営化」が推進されるようになったという。その時水道の現場はどのように変わっていくのか、そして課題とは何かについて考察を行っているのが本書である。

Ⅰ.「水をめぐる広域化と民営化の現場」
今年の法改正により水道事業の民営化が進むと言われているのだが、実際に都道府県、もしくは市町村によってはその民営化に反対の動きも見られているという。本章では実際に民営化したことによるメリット・デメリットはもちろんのこと、地域によってなぜ反対なのかという意見も本章にて寄せられている。

Ⅱ.「水をめぐる広域化・民営化の論点」
もっとも水道の「広域化」や「民営化」を行おうとする動きはなぜあるのかというと、水道によっての経費がかさむことに対する緩和、いわゆる「経費削減」の要素もある。また経営的な観点で効率的になること、競争により質・安さを向上するということもあるのだが、水道そのものはインフラであるためまずは「安定性」が大事になってくるため、民営化に反対の動きがあるとも言える。

どのような変化に対しても「課題」は存在しており、一つ一つ解決に導いていくことが大切になってくる。その民営化・広域化について推進はしているのだが、課題や反対と言う名の「壁」は数多くある現実がある。もちろん単純に民営化や広域化するのではなく、メリットを残しながらリスクを分散していくことも必要である。それは議論によって解決していくほかないとも言える。