居場所がほしい――不登校生だったボクの今

今も一昔前も「不登校」が教育上の問題としてあげられ続けている。それが象徴としてあってか、毎年いくつかニュースやコラムとしてあげられ、なおかつ不登校にまつわる本が色々とある。特に本に至っては教育学者による考察もあれば、かつて不登校児であった方々の証言やあらましと言ったものもある。

本書はその中でも後者にあたる。不登校になったきっかけ、さらにそのこともあっての、心とつながり、そして今に至るまでのことを赤裸々に綴っている。

1.「不登校の始まり」
著者が不登校になったのは中学生の時のこと、先生からの心ない一言であった。不登校になってからは学校・家庭にもギクシャクし、なおかつ自分自身の心の孤独さも露わになった。ちょうど思春期と呼ばれている多感な時期に重なったこともあり、著者自身もその記憶は色濃く残っているほどである。

2.「高校時代―心は高校に通っていない」
不登校から脱出してからも苦難は続いた。高校時代には自分自身の苦難だけではなく、周囲の苦難と向き合うこともあった。その苦難を通じて著者はどう思ったのかなどを明かしている。

3.「大学時代―「つらさ」は、繋がりにもなる」
大学生になってからは勉強はもちろんのこと、自分自身の不登校体験を元にした活動も行うようになった。特に不登校をしている方々に対して、どのようなことを行うことができるのか、何がきっかけだったのかを発信するようなこともあった。その発信の規模は日本から世界にまで及んだ。

4.「今、そしてこれから―二四歳、ボクの道」
中学の体験をもとに不登校について真正面から向き合い、発信していった大学生時代、そして就活の中でも「不登校」に関する関心事はあり、それがきっかけとなり、不登校問題に対して向き合い、助けていく活動を行うことにしたという。

著者は今日もまた不登校を行っている方々に対して、そして周囲の方々に対しての講演や取材などを続けている。中学時代に自分でなってしまった「不登校」は今もなおあり、元・当事者としてどのように助けとなっていくのか、日々考えながら走り続けている。その姿が本書にある。

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