女のことば 男のことば

言葉は学べば学ぶほど面白いものであり、なおかつ絶えず変化をする。しかしながらその「変化」を忌み嫌う人も少なくない。また言葉は国、さらには地域によって多かれ少なかれ異なるのも特徴としてある。そして本書のように男女でも言葉が異なるのだから面白い。

<女のことば>
女性の身体的特徴から、主婦に関連することば、さらには江戸時代以降における「遊郭」にて誕生した「廓言葉」など女性にまつわるような言葉があるという。もっとも「廓」とひとえに言っても京都(島原)・大坂(新町)・江戸(吉原)とでニュアンスや使い方に至るまで異なるのが興味深かった。さらに女房言葉の中でも「おかず(お数)」や「菜」「お冷やし(今では「お冷や」というべきか)」、さらには衣装における「お古」などが女性言葉に列挙されていることも驚いたのだが、そもそも外国語の中には名詞を女性的な表現として用いられることが多いことを聞くと合点がいく。

<男のことば>
一方で男性の言葉として取り上げられるものの多くは「武者言葉」であり、戦いや身分、さらには敵味方といった言葉が多く用いられる。さらには男性の象徴として取り上げられるものとして「山言葉」がある。その山言葉には何があるのかも取り上げられている。

言葉を突き詰めていくと、まだまだ知らなかった語源などが出てくる。「言葉に歴史あり」というのがあるのだが、まさにそのことを如実に表しており、カテゴライズとしても童謡の変遷が辿っていることがよくわかる一冊であった。