集落における殺人事件はよくミステリー作品では出てくる。もっとも限界集落と呼ばれる中では差別と言ったこと、さらには四方を山に囲まれた街では逃げ場がない、あたかも密室のような殺人事件が起こるような作品さえある。
しかし本書はミステリー作品とは異なり、天変地異が起こったり、ありふれた環境の中ではまず出てこない「触手のような何か」も出てくるなど、ある種の「SF」や「ファンタジー」と呼ばれるような現象が起こる。
ミステリーやホラーとは異なるサスペンスやアクションの要素がふんだんに盛り込まれた一冊であるのだが、だからといってSFに類するような要素はほとんどない(あっても触手のようなものや怪獣があるだけ)。そのような状況の中で人はどのようにして打開していくのか、ハラハラするような展開が続く一冊である。
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