47都道府県格差

都道府県には様々な「違い」や「格差」は付き物であるのだが、その格差が看過できないという論者もいれば、格差のあり方が改善しなければならない領域のものも存在する。その中で都道府県の中でどのような「格差」があるのか、本書は様々な統計でもって取り上げている。

第一章「健康」
まずは健康であるが、寿命のほかにも、外食といった「食」をはじめ、自殺者数や医師数といった、健康に直結してくる統計もある。

第二章「教育」
今となっては全国学力テストなるものがあり、そのことによって学力が
どのようになっているのかがわかってくるようになった。小中学生の学力について、さらには不登校や教育費に至るまでのところが取り上げられている。

第三章「結婚」
私自身耳の痛い話である。結婚の中で未婚や離婚といった統計が都道府県においてどのような差があるのか、統計を元にしながらも性格的な要素も絡めて説明している。

第四章「仕事」
次は仕事であるのだが、求人倍率といった就職的な要素もさることながら失業・ニートといったところに至るまで取り上げられている。あくまで本書は「人」にフォーカスを当てているのだが、せめて企業数や倒産といったも統計もあった方がよいと思った。

第五章「お金」
年収や物価など、都道府県によって格差の出やすい章である。年収については首都圏が圧倒的であるのだが、その一方で家賃はどうなっているのか、地価の面からも格差がよくわかる。

第六章「くらし」
くらしといっても観光や地元愛もあれば、交通事故といったネガティブな要素も含まれている。

「県民性」といった言葉があるのだが、統計をみているとその状況はなかなか読みとるのは難しい。もっとも嗜好や傾向にしても、人それぞれであるのだが、都道府県の大きな枠で囲ってみるとわかるものも少なからずある。本書は統計も交えながら県民性からどのような「格差」があるのかも分析した一冊と言える。