東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる

何とも物騒なタイトルであるのだが、「危機管理」を観点にするのであれば核ミサイルも避けて通れないトピックの一つである。もしもミサイルが落ちたのであればどうなるのかのほかにも、どこが狙われるのかもそう定位しておく必要がある。その想定の中にはどのようなものが行うのか、そして対策はどうしたらよいのか、そのことを通りあげているのが本書である。

第一章「最も核被弾の可能性が高い街ー横須賀」
横須賀といえば米軍基地もあれば海軍の基地としても有名である。そのために核爆弾として被弾される可能性の高いところとして取り上げられている。もっとも大東亜戦争における原子爆弾が狙ったところとしても軍事的に重要な拠点を絞り、そこから狙ったという議論もある。本章でも同じような考え方でよこすかがもっとも被弾するのではないかと指摘している。

第二章「東京を襲う水爆は何発か」
もちろん東京もまたターゲットになるのだが、東京ではどのような爆弾がどれくらい打たれるのか、そして日本に向けられる理由と被害がどのようになるのかそれらについて分析をしている。

第三章「東京の周辺都市はどうなる」
核爆弾による被害は甚大というほか無いのだが、具体的にどのような被害があるのか、そして爆弾による対策は東京においては進んでいるのか、そのことについて取り上げている。

第四章「なぜ大阪は狙われないのか」
関西で狙われるスポットとしては神戸であるという。大阪はどうなのかというと、狙われることはないと主張しているのだが、その要因にも軍事的なところで想定されるインフラがあるところが狙われることが大いにある。そのため関西では神戸がもっとも狙われ、そのあおりで大阪は物資不足になると見ている。

第五章「北朝鮮が狙う千歳と小牧」
空路というよりも、自衛隊駐屯地としてあるところのうち千歳や小牧の二カ所が北朝鮮のミサイルに狙われるという。その狙われることとして米軍の存在も少なからずあるという。

第六章「被害を最小化する方法」
核爆弾の被害は夢物語のように見えるのだが、実際に想定すべきことの一つである。そのため被害を最小限にする方法も考えておく必要がある。その方法はどのようなことを行ったらよいのか、特にマクロの視点から取り上げている。

あり得ないようでいて、危機管理の点で想定すべきこととして核爆弾は欠かせない。論者によっては荒唐無稽と主張するかもしれない。またもし核爆弾があったとして著者が想定の範疇を超えたところで被弾することも大いにあり得る。危機管理としての想定は足りないことはあれど、し過ぎることはない。そのことを考えるきっかけとなる一冊である。