15歳のコーヒー屋さん 発達障害のぼくができることから ぼくにしかできないことへ

人生はなにが起こるのかわからない。想定外の出来事は突然として起こり、時にはその状況に対して相容れられないようなことさえもある。本書の著者はアスペルガー症候群といった発達障害にかかり、中学生で不登校となり、その後家の仕事を手伝っていくうちにコーヒー焙煎士となった。コーヒー焙煎士になるまで、そして不登校になった要因など、赤裸々に綴った一冊である。

Chapter1「幼少期のぼく」
今となっては発達障害やアスペルガー症候群といった認知はされているものの、著者が小さい頃、特に小学生のころはあまり認知されていなかった。アスペルガー症候群も小学生の頃からアスペルガー症候群にかかり、人とのコミュニケーションがうまくいかず、なおかつ記憶も曖昧になるようなこともあった。著者のみならず、親もまたその発達障害についてどのように向き合ったのかも綴られている。

Chapter2「大きな壁にぶつかった中学時代」
中学生になると、その発達障害に関する認知が大きな壁となり、ぶつかることとなった。小学校はある程度の理解をしてくれたり、相談に乗ってくれたりといったことがあったのだが、中学校の時にはその理解が受け入れてもらえないことが多くなり、ついに不登校になった。

Chapter3「働くことで新しい世界が広がる」
不登校になり、これからの人生について模索をするようになり、家事を手伝うようになってから、料理に目覚め、そしてそこからコーヒーに目覚めることとなった。その中でもコーヒーはコーヒー豆のみならず、その道のプロとの出会いもまたコーヒー焙煎士としての道を切り拓くきっかけともなった。

Chapter4「ぼくの仕事はコーヒー焙煎士です」
様々な出会いと家族の理解もあり、「HORIZON LABO」が2017年4月にオープンすることとなった。焙煎したコーヒーを直接販売(現在は休止)、そしてインターネットでの販売も行っており、人気を集めている。著者もまたコーヒーの焙煎の仕事を続けている。

人生はなにが起こるかわからないし、ひょんな出会いによって、障害を乗り越え、天職になっていく。著者はまさにその言葉のようにコーヒー焙煎士となっていった。障害はネガティブな印象を持たれるかもしれないのだが、それを受け入れ、そしてそこから違った道を進むことによって道は開ける。それを体現された足跡が本書にて記されている。