雷雲の龍 会津に吼える

会津というと戊辰戦争における「白虎隊」が有名である。その白虎隊は16歳~17歳(中には13歳や15歳もいたほど)になる青年によって構成され、新政府軍と戦い、多くの命を散らせたというものである。やがてそれが様々な作品を通して知られ、何度かドラマ・舞台化するほどにまでなった。

本書は北辰一刀流の大剣士である人物が、門下生と息子を連れて江戸を捨て会津藩へと渡り、新政府軍と戦った物語である。

ちなみにその人物は本書の出版社である講談社の創業者・野間清治の祖父にあたる森要蔵(もりようぞう)である。会津藩と新政府軍の戦いはいくつかあるのだが、森要蔵にスポットを当てた時代小説は、おそらく本書が初めてなのかもしれない。あまり知られていない人物かもしれないのだが、この人物によって講談社設立のきっかけにもなり、なおかつその原点があると言える一冊である。

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