港の日本史

港の歴史というと、幕末からスタートしたイメージを持ってしまうのだが、実際には日本書紀や古事記にも出てくるほどであり、いわゆる「神話」の時代から存在したのだという。もっとも今のような「港」ができはじめたのは明治になってからのことであるのだが。

本書は日本史の中でどのような「港」の概念ができ、なおかつ港の定義を育んできたのか、そのことについて取り上げている。

1章「「港」でわかる日本の7000年史」
本書における「港」の起源として7000年もの前にまで遡るという。縄文時代のことであるのだが、その時代には「船着き場」が存在しており、そこから「水門」なども存在したのだという。

2章「政治権力とともに栄えた港」
もともと港や船着き場は諸外国の玄関口であり、なおかつ様々な交易が行われるところもあり、政治・経済的にも主要な場所になることが往々にしてあった。そのため政治権力の中心地として扱われたこともあり、スポットによっては歴史的な所における政治的中心にもなったほどである。

3章「世界史に名を残す港はどこか」
日本には津々浦々の港が存在しており、中には歴史的にも重要な役割をなした港も存在した。では世界史に目を向けてみるとどうなのか、本章ではその中でも世界史にも通じる代表的な港を取り上げている。

4章「江戸の物流ネットワーク」
元々江戸時代は「鎖国」と呼ばれる時代であったのだが、出島以外完全に港が閉ざされていたわけではない。日本の国の中でも様々な藩があり、それを行き来するために港が使われたこともあった。江戸でも「港」が存在していたほどである。

5章「明治150年と近代の港湾」
幕末に入って日米和親条約・日米修好通商条約で5港が国際港として開港することとなった。その代表的な5港は150年もの歴史の中で近代化となっていくなかで、どのような役割を成してきたのか、そのことについて取り上げている。

6章「激動の世紀を生きる港」
激動の時代というと、いわゆる「軍港」も一つであり、海軍としての拠点も存在したほどである。また軍港の中でも工業の面から貿易を成すための経済的な要因として栄えた港も少なくない。

港というと幕末からできたイメージを持っていたのだが、あくまで近代的な「港」ができたのがその時代からであり、国内的な交易などを成す点などではそれ以前からも存在したことがよくわかる一冊であった。

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