うき世櫛

「髪は女の命」はよく言ったものである。しかしそれは今も昔も同じ事であり、江戸時代にもそういった時代があり、その女性の髪を美しくする「髪結い」といった職業もあったほど。

本書は江戸時代に「髪結い」として生きた齢15の少女が髪結いとして修行をツムと言った成長譚である。健気ながらも、髪結いとしての成長、そして女性と髪の毛、江戸時代における女性の愉しみ、そして「幸せ」、それが一つに詰まった一冊である。

江戸時代の女性は史実となっている書物でしか分からず、時代劇でも、創作物であるため、空想でしかない。もっとも小説もあくまで創作物の一つであるため、著者自身の想像もあるのだが、江戸時代における女性の姿の「強さ」と「はかなさ」が何とも言えない味わいがある。そしてそのひたむきに頑張る姿が本書の表紙も併せてハッキリと映し出している。

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