起業家の中にも様々な種類の人がいる。本書はその中でも珍しい「連続起業家」と呼ばれる方々を紹介しつつ、そのような存在になる方法について取り上げているのだが、「起業」をなぜ繰り返すのか、そしてそれを行うことによる利点などは何なのかも含めて取り上げている。
第1章「「連続起業家」の実像」
そもそも連続起業を行っていく上で一つとして挙げているのが「M&Aエグジット」と呼ばれるものであるのだが、その詳細については第2章の中で述べることとして、それを選択することにより、事業を手放し、新たな事業を興すといったことを繰り返すことができるというものである。それを行っている方々を本章にて紹介している。
第2章「なぜ、ベンチャーのM&Aエグジットが盛り上がっているのか?」
そもそも「M&Aエグジット」とはいったい何なのか。それは事業の「出口戦略」として「M&A」がある。他の企業へ買収をされることによって、ビジネス的な価値を引き上げることにもつながり、さらに事業を手放すといったこともあり、他の事業のスタートにつなげることができるようになる。
第3章「会社を売るか続けるか? 決断のための4つの視点」
会社の成長には「ゴール」と言ったものが存在しない。解散や撤退などがされない限りずっと事業は続くものである。しかしながら連続起業を行っていくためには、事業を手放す必要がある。企業売却も一つの手段であるのだが、それを決断するにはかなり難しい。それは社員にしても、株主にしてもの理由がある。それをいかに考え決断していくのか、そのことを取り上げている。
第4章「エグジットする! と決めたなら」
うまく行く事業をM&Aにつなげていく場合は「交渉」は避けて通れない。そもそも企業と企業との折衝によって、なり立つものであり、その折衝はしばしば「戦場」と言われているほどである。その戦場に対していかに戦っていくのか、そのことを取り上げている。
第5章「会社を売るまでの流れ」
「M&Aエグジット」を行うにあたり、企業をいかに売却していくかという流れを取り上げている。資料を作成したり、法律的な資料の提出や締結ごと、さらには引き継ぎなどやることは多岐にわたる。
第6章「会社を「高く」売る!」
M&Aをやって売却するのであればいかに「高く」売るかがカギになる。それを意識しなくてはディスカウントされて、価値を下げてしまうことにもなりかねないためである。その高く売るためにはどうしたら良いのか、そこには「知識防衛」がある。
第7章「エグジット成功のカギを握るM&Aアドバイザー選び」
もちろんM&Aを行っていくのは起業家ばかりではない。アドバイザーの支えがあってこそなし得る。そのアドバイザーをいかにして選ぶべきか、本章ではそのイロハを取り上げている。
連続起業はあまり聞かなかったのだが、それを行う人もいると言うことは私自身もあまり知らなかった。その姿も知ることができた一方で、行う方法もあるため、起業という言葉にも少し幅ができたのではないかと思う。