物語 オランダの歴史 – 大航海時代から「寛容」国家の現代まで

元々は「ネーデルラント」と呼ばれたが、古代にはローマ帝国の侵攻により、ローマ帝国、後にフランク王国、神聖ローマ帝国の一部にしか過ぎなかった。大航海時代を経て、16世紀後半に「ネーデルラント連邦共和国」を建国し、実質的にオランダとしての国がスタートすることとなった。本書はそのオランダ(王国)が建国されるまでの歴史と、共和国への道、日本との関係などオランダにおける歴史を「物語」にして表している。

第1章「反スペインと低地諸州の結集―16世紀後半」
冒頭でも述べた神聖ローマ帝国の一部だったのだが、後にハプスブルク家の一部として扱われることもあった。しかしながら政策自体は植民地として不当な扱いをされることが往々にしてあり、ネーデルラントの民たちは反発を覚えるようになった。やがて反乱となり、独立への道を歩んでいった。

第2章「共和国の黄金時代―17世紀」
建国した時は「共和国」と名乗っており、文字取り共和制を敷いていた。その中で貿易政策を積極的に行い、多様な宗教・文化を育んでいった。

第3章「英仏との戦争、国政の変転―17世紀後半~19世紀初頭」
しかしながら、その独立は英仏の対立を生み、なおかつアメリカ大陸などの侵攻を行うようになったから、対立は激化していき、戦争にまで発展した。4度にわたって「英蘭戦争」が起こり、フランス革命の煽りを受けて侵攻を受けるようになったことにより、パタヴィア共和国ホラント王国などの国に分裂、また植民地を失うこともあった。

第4章「オランダ人の海外進出と日本」
その一方で、鎖国状態にあった日本との数少ない交易関係を築くことができた事もあった。江戸時代において日本では「蘭学」が盛んに取り入れられ、医学や砲術などの面においてオランダの文化が取り入れられ、日本独自に昇華していった。

第5章「ナポレオン失脚後の王国成立―19世紀後半」
ナポレオンの侵攻によりナポレオン帝国の一部になってしまった後、ネーデルラント連合王国が生まれた。その中にて植民地支配はより一層強まっていき、奴隷貿易も盛んに行われ、搾取も行われたほどである。

第6章「母と娘、二つの世界大戦―19世紀後半~1945年」
オランダは2つの世界大戦を経験したが、第一次は「中立宣言」を行い、ほとんど関与しなかった。したと言っても植民地の部分のみである。積極的に関与することになったのは第二次世界大戦の時であり、日本が東インド植民地(現在のインドネシア)を侵攻したこと、そしてナチスドイツに占領されたことを受け大戦に参加することとなった。

第7章「オランダ再生へ―1945年~21世紀」
第二次世界大戦後のオランダは植民地支配の体制から変わる必要があった。その一つとして東インド植民地を取り戻すどころかインドネシア独立戦争により手放さざるを得なかったことも背景としてある。

今でこそオランダは王国の一つとして、なおかつヨーロッパ諸国の一部として重要な要素を担う存在である。イギリスやフランスと比べても、少し陰となっているものの、西欧の歴史の中で重要な役割を担ったといっても過言ではないことを歴史をもって知ることができる。

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