ルポ 税金地獄

先日、金融庁が「老後の資金は2000万円必要」というニュースがあった。本書で取り上げる税金とは関係がないのだが、年金とも絡むため、税金にも通ずる部分がある。労働人口自体右肩下がりが続き、なおかつ高齢者の増加もあり、医療費や介護費もかさんでいくため、国の年金ではまかなえなくなり、なおかつ医療福祉を充実していくために国としても税金の財源を増やす必要があるという思惑がある。

そのヨリがサラリーマンなどの層に打撃を与えている。その一方で、タックスヘイヴンと呼ばれるところに富裕層が続々と金を流しているといったニュースも過去にあった。本書はその現状とこれからくる税金地獄と、そこからの脱出方法をルポルタージュにして取り上げている。

第一章「税金を払わない富裕層」
とある資産家の取材を元にどのような税金対策が行われているのかを取り上げている。もっとも富裕層は「お金を持っている」というだけでなく、「お金を使う」「お金を管理する」といったこともまた長けている。その管理のあり方については税金逃れという声もあるのだが、法律違反をしているわけではない。そもそも法律にも必ず「抜け穴」が存在しており、そこを突きながら管理している現状を取り上げている。またここ最近話題となった「ふるさと納税」の返礼品加熱化も言及している。

第二章「重税にあえぐ中・低所得者層」
今年の10月には消費税が10%に引き上げられる。その引き上げによって消費税の税収が増える一方で、中・低所得者の負担はますます大きくなる。もっと言うと国にとっても税収が所得税・法人税と見込めない中で消費税が頼みの綱とくくっている印象も見え隠れする。
本章では税金等の滞納に苦しんでいる人たちの姿を取り上げている。もっとも事情があって滞納をされている方々が中心となるのだが、それぞれの事情があるのだが、「非情」と言う言葉がよく似合う。

第三章「固定資産税というブラックボックス」
市町村の税収のなかでウエイトの大きいものとして住民税のほかに「固定資産税」がある。その固定資産税がどのようにして成り立っているのか、そして固定資産税の納税のあり方とは何か、そこにはブラックボックなのだというが、なぜブラックボックスなのかを取り上げている。

第四章「税の権力 誰が税を決めるのか?」
そもそも税にはどのような「権力」があるのか、そこには政治的な思惑があるという。政治というと国であり、その国では法律が作られたり、改正されたりする事がある。その改正・制定の際に政治的な思惑が交錯するという。

第五章「三世代同居、宗教、酒 減税天国の闇」
税金の関わりだけでなく、宗教や同居などにまつわる「減税」があるのだが、そこには「闇」があるのだという。その闇とはいったいどのようなものなのかを取り上げている。

第六章「税金地獄からの脱出」
税金地獄と呼ばれる時代がやってくるのだが、その地獄から脱するためにはどうしたらよいのかを取り上げているのだが、税制改革のほかにも医療福祉や教育の在り方など多岐にわたる。

もっとも日本の借金は1000兆円を超えており、借金の返済も優先する必要があるのだが、根本的な解決が全く見えおらず、なおかつ医療福祉についての負担も増えてくると言う、税制的な四面楚歌がずっと続いている。その現状から解放することができるのかというと、きわめて難しいと言える。

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