現在「進撃の巨人」はNHKでSeason3が放送中である。物語はもうクライマックスといった所にあると言っても過言ではない。今から6年前にSeason1が放送された時には一大センセーショナルとなり、OP曲が紅白歌合戦で歌われた。しかもその進撃の巨人で話題となったのは和田アキ子似の巨人がいたという(本人も認めており、後にアプリのCMで出演することとなった)。
それはさておき、本書は「美術解剖学」という、かなりユニークな学問から「進撃の巨人」を紐解いて言う。人体の筋肉の描かれ方について紐解いている。
第一章「『進撃の巨人』を読む」
進撃の巨人には様々な種類の巨人が登場するのだが、大きく分けると「人間型」「奇行種」「動物型」などがある。また細かく分けると大型・小型など多岐にわたるのだが、種類によって描かれ方も異なってくる。どのように描かれているのかを本章にて見ている。
第二章「美術解剖学って何?」
もっとも巨人の中には筋肉を剥き出しにしている描写もある。そのためか筋肉構成を考察するにあたり、美術的な観点で考察を行うことも一つの手段であり、そのために「美術解剖学」があるという。その教材の一つとして「進撃の巨人」が格好のものであるという。
第三章「人体の筋肉を学ぶ」
人体組織を学ぶための一つとして人の筋肉はどのような組織で構成されているのかを取り上げる必要がある。全身の筋肉の解説している。
第四章「人体の骨格を学ぶ」
第三章では筋肉であるのだが、本章では骨格である。筋肉の構成を保つためにはその芯となる骨も構成する必要がある。家を建てる際の柱や鴨居をはじめとした骨組みがそれにあたる。
第五章「『進撃の巨人』を読むⅡ」
美術解剖学や骨格・筋肉を学んだ上で改めて「進撃の巨人」を読んでみると、解剖した人体の骨格や筋肉がありありと分かる。なおかつ物語を見ていくと出てくる巨人の骨格・筋肉がどのようであるのかがよくわかる。おさらいのような章であるのだが、本章を基軸に第二章~第四章を読むのも面白いかもしれない。
現在放送されている「進撃の巨人」を美術解剖学の学問で考察を行うと言った一冊であるのだが、非常にユニークな一冊である。最も人体のスケッチとしての「解剖学」があることはある程度知っていたのだが、美術的な観点で解剖をするといったことは本書に出会うまでは聞いたことがなかった。そう言う意味では知的好奇心を引き立たせる一冊に違いなかった。
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