地元経済を創りなおす――分析・診断・対策

地元経済は苦境に立たされている。それは日本経済そのものよりも度合いが高い。その地域に関連した地元経済について巻き返す対策はあるのかどうか、そのことについての解決方法を取り上げているのが本書である。

第1章「地域へ戻りつつある経済」
もともと「経済」自体は国よりも地域によってつくられたものである。作られた経済からだんだんと規模が拡大し、国単位にまで、さらには世界全体といったところにまで達した。しかしその達した部分から地方へと回帰しつつあるという。

第2章「あなたの地域は「漏れバケツ」?」
本書で言うところの「漏れバケツ」はバケツのところに穴がいくつもあり、せっかく水をためていても、その穴から水が流れ、水が漏れる事から名付けられている。経済的には企業誘致や補助金、さらには観光客から得たお金から、サービスやエネルギー、業者などの代金が出てくるというモデルである。しかしながらその出てくるお金は削減できる「ムダ」であるという。

第3章「まず地域全体の漏れの度合いを知る」
そもそもそういった漏れバケツは地域によって様々であり、度合いも異なるという。その異なる漏れ具合はどのように知っておくべきか、そのことを取り上げている。

第4章「地域の「どこで、どれくらい漏れているか」の詳細を知る」
もっとな経済対策としては「漏れバケツの穴をふさぐ」ことにあるのだが、果たしてどこに「穴」があり、どれだけ「漏れている」のか、を知ることにある。

第5章「身近な「漏れ穴」をふさぐ」
ここからは「漏れた穴」をふさぐにはどうしたらよいのかを取り上げる必要がある。まずは「身近な」とあるのだが、なかでも食糧の部分ででてくるのだという。

第6章「「最大の漏れ穴」をふさぐ」
本章でいう「最大の漏れ穴」はエネルギーである。エネルギーについては得るために様々な穴をつくる必要があったのだが、どのようにしてその漏れ穴を防げるのかも取り上げている。

第7章「「漏れ穴」をふさぐ新しい資本主義」
そもそも資本主義のあり方については漏れ穴が付き物であるというのだが、その考えから脱却し、新しいあり方を持っておく必要があるという。

第8章「地域経済を考え直す―水俣市と下川町のいま」
地域経済のあり方は変化していることは自明の理であるのだが、実際にはどのような変化があり、なおかつ考え直す必要があるのか、本章では熊本県水俣市と北海道下川町を例示している。

第9章「地域経済を取り戻す―トットネスで始まる「新しい物語」」
地域経済を取り戻すためにはどうしたらよいのか、本章ではイギリス・ロンドンから少し離れた町であるトットネスをモデルにして取り上げている。

地方経済や地域経済は苦境に立たされている一方で街によっては独自の経済体系を築き、栄えているところも少なくない。もっとも日本経済も踊り場の状況であり、なおかつ地域はそれ以上、もしくは悪くなっているところもある。地域によって悪い作用のある経済をどうしたらよいのかの参考資料となる一冊である。

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