本書のタイトルを見ると中島みゆきの同曲を連想してしまうのだが、本書はそれとは無関係である。
本書は島原地方におけるキリシタンを取り上げている。島原と言えば天草四郎時貞が起こした1637~1638年の「島原・天草一揆」が有名であるのだが、本書はその一揆が起こる40年以上も前、戦国時代において豊臣秀吉が天下統一を成し遂げようとした時代における島原・天草における「乱」を取り上げている。そのためか歴史的なこととしてはあまり知られていない「乱」である。
もっとも島原・天草一揆は幕府による過酷な取り立てによっての反乱であるのだが、その一方でキリスト教に対する弾圧もあったことから、キリスト教と幕府による対決といった構図が有名になったことにある。もっとも一揆以前にもキリスト教は島原・天草にて広められており、豊臣秀吉が天下統一した時には、江戸時代ほどではなかったもののキリスト教の弾圧が行われた。その弾圧に反抗し、島原・天草を守るため、あるいは西洋との架け橋となるために闘った者たちの姿がありありと描かれている。
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