イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国

イスラエルというと、イスラエル・パレスチナ問題が現在も残っており、過去には「中東戦争」が複数回行われたことにより、絶えず紛争や戦闘が起こっているイメージがつきまとう。
しかしながら現在のイスラエルはBRICsの後に続くほどの経済の成長が著しく、先進国を中心に熱視線を浴びている国として有名であるという。もっとも経済・産業的にイノベーション大国として挙げられるイスラエルは経済的にどのような立ち位置にあるのか、本書はメディアでは取り上げられないイスラエルの現状を取り上げている。

第1章「中東のシリコンバレー――日本人が知らないイスラエル」
イスラエルはよく「中東のシリコンバレー」と呼ばれている。アメリカのシリコンバレーではベンチャーが盛んで毎年多くの会社やビジネスアイデアが誕生しているのだが、イスラエルでも同様のことが起こっており、ベンチャー誕生にあたり、巨額のお金が動いているとされている。

第2章「イノベーション大国への道――国家戦略と国民性」
もっともイノベーション大国となったことは偶発的に起きている訳ではなく、国家戦略として行っていると言われている。その国家戦略上としてイスラエルはなぜシリコンバレーのようなイノベーション大国としての立ち位置を選んだのか、そこにはイスラエルならではの国民性にあるのだという。

第3章「恩讐を超えて――関係を深めるドイツ」
イスラエル国民の多くはユダヤ人である。ユダヤ人は古代からヨーロッパを中心に迫害・中傷を受け続けてきた。そのためかヨーロッパでは浅からぬ因縁を持っており、特に本章で取り上げるドイツではナチスによる「ホロコースト」により大虐殺や迫害を受けたことでも有名である。その恩讐を超えてここ最近ではドイツとの関係を深めているという。

第4章「急接近する中国――一帯一路だけではない」
ヨーロッパやアメリカだけでなく、中国もまた熱視線を送っており、実際に巨額投資を行うなどの急接近を行っている。貿易・ビジネスなどの面において中国はイスラエルに対してどのようなことを行っているのかを取り上げているのが本章である。

第5章「出遅れた日本――危機とビジネスチャンス」
では日本はどうなのか、というと大きく出遅れている感が否めない。そもそも日本はイスラエルに対して政治的な面で親密になっている一方で、経済では戦略面で後れを取っており、それを挽回するためにはどうしたら良いのかを模索している。本章ではその挽回方法についての提言も行っている。

イスラエルというとネガティブな印象しか持っていなかったのだが、本書でもって経済的にも熱い国であることがよく分かる。しかし経済的に急成長を遂げている中で日本はどうあるべきか、その関係性を考える事も本書でもってきっかけとなるのかもしれない。

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