ゆうゆうヨシ子さん-ローボ百歳の日々

本書に出てくる「ヨシ子さん」は著者の母であり、なんと100歳を迎え、現在102歳である。その息子である著者も今年で喜寿を迎えるため、老齢親子と言えるのだが、ここまで親子共々長生きでいられることも珍しくもあり、素晴らしくもある。

本書はそのヨシ子さんが80代から102歳までの中でしたため続けてきた俳句を披露しながら、日常を映し出している。

単純に親子の日常であるのだが、年齢も年齢なのか、それとも著者の親子ならではなのか、日常のように見えて非日常の雰囲気を映し出している気がしてならなかった。とはいえど、親子水入らずでいつまでもいるという「幸せ」もあり、穏やかさもあった。もしも自分が老いた時に、親が生きているかどうかは分からないし、もしも自分が結婚し、子宝に恵まれた後に親子共々老いた時の日常はどうなるのか、全くと言ってもいいほどわからない。だからでこそ、本書の日常は「貴重」なのかもしれない。