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2019年8月

リハビリ 生きる力を引き出す

怪我や障害などに対して、正常に戻すためのケアのことをリハビリ(リハビリテーション)と呼ばれるのだが、そのリハビリはなぜ行うべきか、そして現在の医療においてリハビリがいかに重要なのか、そのことについて取り上げている。 1章「リハビリテーションとは何か」 「リハビリ」とは、 「障害者をして身体的、精神的、社会的、職業的、経済的にできるかぎり有用性を回復させること」(p.2より) とあり、社会的な活動を […]

四季彩のサロメまたは背徳の省察

とある高校の朗読部において、後輩から頼まれた女性の話について相談を受けたのだが、その女性は存在するはずのない女性であり、それが引き金となって事件が起こるというミステリー作品である。 女性関係の拗れと言うことはミステリー作品にてよくあるのだが、本書はミステリアスな人間関係であると同時に、実在する女性との関係もあることから官能的なタッチもある。 もっとも「サロメ」というとリヒャルト・シュトラウスによっ […]

「痛み」の医学 こども編

子育ての中で病気を負ったり、痛みを負ったりするようなことも少なからずある。もっとも子育ての時期にそういったことは起こり得る。しかしながら大人たちがそれに気づくことも必要であるのだが、なかなか気づくことができず、もっと悪い自体に陥ることも少なくない。本書は痛みに対して、家庭内でどのように検知し、ケアを行っていくかを取り上げている。 1.「おうちで確認できること、ケアのしかた」 「痛み」といっても怪我 […]

玉瀬家、休業中。

本書のタイトルを見るや、一家で何か商売をしているのではと思ってしまったのだが、実際はそうではなく、長らく一家離散した家族が、いわゆる「なんだかんだ」で久しぶりに一つ屋根の下に暮らすといった物語である。 家族はと言うと、「守銭奴」「自意識過剰」「超ネガティブ」の女性たちであり、水と油が一緒に混じって、さらに爆弾が入るという、見るからに危険な家族のように思えて成らなかった。女性3人のため「姦(かしま) […]

羽生結弦は捧げていく

ソチ・平昌と2つのオリンピックで金メダルを獲得し、2018年には史上最年少で国民栄誉賞を受賞した人物としてよく知られている。しかし2018~19年シーズンは怪我の影響もあり、振るわなかったものの、現在の男子フィギュアスケート界の絶対王者として来期は捲土重来の活躍に期待したい。 本書はその羽生結弦に対し、どのような活躍を期待しているのかを綴った一冊であると同時に、今のフィギュアスケート選手たちはどの […]

地上の星

本書のタイトルを見ると中島みゆきの同曲を連想してしまうのだが、本書はそれとは無関係である。 本書は島原地方におけるキリシタンを取り上げている。島原と言えば天草四郎時貞が起こした1637~1638年の「島原・天草一揆」が有名であるのだが、本書はその一揆が起こる40年以上も前、戦国時代において豊臣秀吉が天下統一を成し遂げようとした時代における島原・天草における「乱」を取り上げている。そのためか歴史的な […]

住まいで「老活」

この頃「就活」と言う言葉に派生して、「婚活」「恋活」「終活」など「~活」と呼ばれる活動が数多くあるように思えてならない。意識すべきことであるのだが、むやみやたらに「~活」を増やすのもここ最近ではいかがなものかと思うのだが。 それはさておき、本書では仕事をリタイアして老後の人生を豊かにするための活動、すなわち「老活」に関する本も出てきている。その「老活」の中で特に取り上げられているのが「住まい」であ […]

お殿様、外交官になる 明治政府のサプライズ人事

江戸時代における「殿様」にあたる人々が明治時代になると廃藩置県に伴い、様々な境遇を迎えることとなった。その中には明治政府における外交官として活躍する人々がいた。本書はその外交官になった武将や殿様たちを取り上げている。 1章「鍋島直大(なべしま・なおひろ)」 肥前佐賀藩の藩主であった鍋島直大は幕末の動乱の時代の時に薩長が台頭していく中での土肥の一角に食い込み、明治になってからは留学を行い、その経験か […]

地元経済を創りなおす――分析・診断・対策

地元経済は苦境に立たされている。それは日本経済そのものよりも度合いが高い。その地域に関連した地元経済について巻き返す対策はあるのかどうか、そのことについての解決方法を取り上げているのが本書である。 第1章「地域へ戻りつつある経済」 もともと「経済」自体は国よりも地域によってつくられたものである。作られた経済からだんだんと規模が拡大し、国単位にまで、さらには世界全体といったところにまで達した。しかし […]

鳥打ちも夜更けには

世界中を見渡すと「天国」や「楽園」といった言葉を標榜するような場所も存在する。中でも「楽園」と言う文字で有名なところで言うと、「最後の楽園」と呼ばれ、2015年に映画のタイトルにもなったコスタリカが挙げられる。 では日本はどうかというと、「楽園」と言えるところはいくつか存在する、私のイメージからすると沖縄がその一つかもしれない。本書は架空の「楽園」であるのだが、鳥が多い街であり、なおかつ「鳥打ち」 […]