「社会学」と言うととっつきにくいように見えて、私たちの生活に密接することが多々ある学問である。もっとも「社会現象」といった家族やコミュニティ、さらには時事的な要素に至るまで社会学的に読み解くことができるためである。もっとも「世間」や「空気」を考察することもまた「社会学」の要素として挙げられる。
本書はその「社会学」とはいったい何なのか、その定義や学術的な研究も含めて読み解いた一冊である。
第一章「「社会学」―現代の世間話」
「社会学」は高尚な学問のように思えて、実は世間を紐解いているため、ある種の世間話である。しかしながら学術的研究であるため、事柄をまとめつつ、世間的な様相はどのような変化を行っていくのかを見定めることもまた一つの要素として挙げられる。
第二章「集団―つながる縁」
集団というとよくあるのが「家族」「会社」「組織」「団体」、さらには「友だち」と言ったものが挙げられる。それらは全て多かれ少なかれ、何らかの「縁」によって成り立っているのだが、その「縁」はどこから来ているのかを取り上げている。
第三章「コミュニケーション―ことばの力」
コミュニケーションの定義はなかなか難しい。会話にしても、メール、最近ではSNSなどツールは様々とあるのだが、いずれにしても根本的なこととしては人と人とのやりとりをする中での潤滑油になることである。とはいえそのコミュニケーションツールにしても、誤った情報を流し、ありもしない方向へ進むと行ったことがある。特にそれは新聞などのメディアによって行われている。
第四章「組織―顔のない顔」
第二章でも取り上げた「組織」は人と人との成り立ちによって構成されているのだが、実際には「顔」は存在しない。とはいえ、組織としての色や考え方などがあるため、それがあたかも「顔」として成り立っているため、本章のサブタイトルである「顔のない顔」がなり立っているのではないかと考えられる。
第五章「行動―ひとの居場所」
行動をすることは人間としても理性と感情を交じらせながら、動くこともあるのだが、その行動を行っていく中での「空間」もまた行動をして行く中での要素としてある。行動と空間、その2つはどのようにかかわっていくのかを取り上げているのが本章である。
第六章「自我―人生劇場」
決して本章のサブタイトルは同名の小説・映画・歌謡曲を取り上げているわけではない。人生の中で「自分自身」として生きることをアイデンティティ、日本語としては「自我同一性」と定義しており、その中の「自我」を本章にて取り上げている。
第七章「方法―地べたの学問」
社会学の学問はどんな学問なのか、地べたで行動しながら考える、どのようにして社会的にも良くなるのか、そしてどのような定義に結びつくのかという「方法」の学問として存在している。
私自身も社会学はわずかだが学んだことがあるのだが、まだまだ学ぶべきこと、知るべきことがたくさんあり、なおかつそれを知ることによって社会全体の内の多くを知ることができる学問と言える、本書はその可能性を見出した一冊である。
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