嫁をやめる日

夫婦という関係は人や状況によって左右される。幸せだと感じる夫婦もあれば、苦痛と感じる夫婦もあれば、その両方を持っている夫婦もある。まさに「夫婦いろいろ」がよく似合う。

本書は長らく夫婦を送っていたのだが、夫が急死してから物語が始まる。もっとも夫が逝去すると未亡人になり、夫婦関係は終了するのだが、嫁であることをやめてから、夫の知られざる素顔が見えてきた。その見えてきた中で、想像し得なかった側面を見出すことになる。

「夫」という最愛の人物の逝去により、周囲も大きく変わっていく、最愛の人物が逝去したことによる同情が生まれたのだが、やがてそれが「監視」と呼ばれるネガティブなものに変わっていく。夫の存在を調べる中で、ある「書類」と出会うこととなり、正式に「嫁」をやめることになったという物語である。

ある種スカッとするような痛快物語であり、もし夫婦関係に疲れたら、本書でその疲れを吹き飛ばした方が良いと伝えることができる一冊である。

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