ぼくはきっとやさしい

今から10年ほど前に「草食系男子」と言う言葉が生まれた。それに派生され、「○○系男子」が次々と出てきており、本書で紹介されるような「無気力系男子」もまたその一つである。

無気力になる原因は人それぞれであり、一概には言えないのだが、本書の主人公が無気力になった要因として「コンプレックス」がある。体格が大きくなってしまったことから、周囲から怖がられたこと、それを強くネガティブに捉えてしまい、気力を失い、なおかつ「メンヘラ」と呼ばれる状況に陥ってしまった。

その男子が突如恋に落ちたことから物語は始まる。メンヘラであり、なおかつ無気力になると付き合う女性も「面倒くさい」と思ってしまうのだが、そうありながらも、つき合い続けていくという、ある種の「強さ」も際立たせながら、面倒な性格を変えていこうとする主人公の変化もまた興味深かった。