ヒョウタン(瓢箪)というと、独特な形の実をイメージしてしまう。もっともシンボルとしても、道具の一種としても用いられており、歴史の長さからすると1万年ほどである。もっとも道具として加工されただけでなく、栽培植物としても数多くある植物の中で最古のものがこのヒョウタンであるのだという。本書はめくるめくヒョウタンの歴史と芸術、文化などのルーツを追っている。
第1章「ヒョウタンを求めて」
ヒョウタンのルーツを追い求めて、イースター島やパプアニューギニアに赴いたエピソードを取り上げている。モアイづくりにも作られたり、場所により衣装の原材料の使われレテいるのだという。
第2章「ヒョウタンの実像」
ヒョウタンというと良くあるイメージは独特な実であるのだが、実際は実を成す前の花も美しいという。また実を言うとヒョウタンには苦み成分があるのだが、こちらは毒であり、中毒になり病院に運ばれた事例も存在する。ちなみになぜ独特なくびれのある実となったのか、そしてどのようにして派生種に遺伝していったのかにも本章にて言及している。
第3章「ヒョウタンの足取りをたどる」
もっともヒョウタンは日本で言う所の旧石器時代、縄文時代のころから既に存在していた。証拠としてヒョウタンとおぼしき化石が国内外にて出土されていることにある。しかしそのヒョウタンの根源はどこから来ているのか、本章ではその「根源」を追っている。
第4章「ヒョウタンで暮らすーさまざまなヒョウタン利用」
ヒョウタンというと実を使うことが多いのだが、その「使う」幅が非常に広いことでも知られている。本章では「器」として使われる用途を取り上げており、水をはじめ、酒、油などの入れ物、他にもタバコなどの入れ物、釣りなどの浮きもの、アクセサリーなどあげるだけでもきりが無いほどである。
第5章「楽器の原点」
ヒョウタンから作られた楽器もまた多種多様である。弦楽器から打楽器、さらには管楽器に至るまで幅広く使われている。
第6章「ヒョウタン芸術」
ヒョウタンは「芸術品」でも用いられる。実用的なものというよりも、美的な「シンボル」と言う意味が込められている。
第7章「ヒョウタンの神話とシンボル」
ヒョウタンは神話はシンボルとして使われる。とくにシンボルは性的なものもあれば、浄化、天候にまつわるものまで国によって扱いは様々である。他にもアフリカでは呪術として用いられるという。
独特な形のヒョウタンは長い歴史の間で、多種多様に使われていることは良く分かる。独特な形であれど、多くの人々に親しまれ、今もなお受け継がれている確固たる証拠を提示した一冊と言える。
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