源匣記 獲生伝

目の前で両親を失ってしまったとある少年が、殺された敵を復讐するために立ち上がった。しかしその立ち上がった旅の中で、とある小さな「匣(はこ)」を賊から略奪したのだが、その「匣」には人智を超える力を宿していた。

そしてその復讐の相手も「匣」を持っており、やがて大きな「大戦」へと進んでゆくこととなる。

本書は「日華融合ファンタジー大戦」とあるのだが、確かにファンタジー的な要素はある。大戦にしても古代中国大陸にあった「三国志」や「春秋時代」などをモチーフにしている所はよくわかる。しかしながら日本的な要素はどこにあるかと言うと、本書の物語を読む限りでは日本的な要素がなかったように思えてならなかった。とはいえスケールが大きく、東洋の雰囲気がたっぷりと描いている物語には読み応えがあった。