生きるように働く

私にとって働くことは「愉しみ」の一つである。もちろん生活をしていく上で収入を必要になるのだが、その手段の一つとして「働く」ことである。その生きるために「働く」ことを考える方々も多いのだが、本書は「生きる」ことと「働く」ことを同義として捉え、人生そのものを働くことにしている。しかしそこには「生活のため」と言ったことではなく、給料を意識せず、人生そのものとして「働く」方々を紹介している。

Ⅰ.「種を蒔き、水をやる」
仕事をするなかでも、特に独立やプロジェクトの開始をするにあたり、稼ぐための「種」を蒔くと言うイメージを持たれる。しかし本章では仕事のなかでの種まきと水やりと言ったことを2人の人物を紹介しながら取り上げている。

Ⅱ.「芽が出て、葉が開く」
フリーランスや独立としての芽が出てきたら、今度はそこから葉が開くために邁進していくことが必要である。本章ではガラス店や建築士、さらには料理店といった方々を紹介している。

Ⅲ.「根を張り、幹を伸ばす」
会社としては人がいないと成長できない。その成長のなかに人を採用し、育成することが必要になる。本章では求人サイト作りもあれば、人を育て、事業を育てると言ったことを行っている方々を取り上げている。

Ⅳ.「枝を張り、葉が茂る」
木の育ち方は十人十色の如くそれぞれ異なる。枝の張り方もあれば、葉の形・大きさなども異なってくる。その異なってくるなかでどのような成長をしていくか、どのようなスタイルを築いていくか、それぞれ違うなかでも特に個性的な伸ばし方をしている方々を取り上げているのだが、かつての書評で取り上げた「東京R不動産」も取り上げられている。

Ⅴ.「森になる」
沢山の木々をつくり、森となるのだが、その木々が人となり、コミュニティをつくることもまた働くことの一つなのかもしれない。

「働く」ことは「生きる」ことである。しかしその「生きる」は生活的な意味ではなく、人生そのものの楽しみなどライフスタイルとして「働く」ことを意味している。そういった「働く」スタイルがあることを教えてくれた一冊であった。