現在の国会議員は言うまでもなく有権者の投票によって選ばれている。しかしその投票については組織票や人気投票のような様相を出しており、実際に能力を判別しているとは言い切れない。本書の帯に、
「立法・司法・行政の三権のうち、中央省庁の役人も裁判官も、超難関の試験を通っている。なのに、一番大切な立法府を構成する国会議員に試験がないのは、おかしくないか?」
とある。これほど痛快に今の国会議員についてを突いているものはないと言える。本書はもしも国会議員の選出について投票ではなく、「基礎テスト」と称して国会議員としての資質・教養をテストするというものを立法に提出することから物語が始まる。もっともその法案についての反対意見も数多くあるが、提出するなかでどのような意義があるのか、考えさせられる一冊であった。
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