15歳,まだ道の途中

15歳はまさに思春期の真っ只中にある。心的にも不安や悩み、葛藤が入り乱れるような時期でもある。その繊細な時期だからでこそ、思春期としての旅路についてどう示せば分からない人も多いかもしれない。本書はその道標の一つとも言える。

エピソード1「クラス、始動」
中学3年生、義務教育としては最後の学年と言える。学校によってはクラス替えがあり(ちなみに私の学校は3年の時クラス替えはなかった)、新しい人との関わりも出てくる。慣れないクラスだと心配事も必ず出てくる。

エピソード2「教室で漫才を考えた」
授業中に不謹慎な・・・とお思いの方もいるかもしれない。でも面白いことを考えることもまた一つの青春である。恥ずかしながら私も中学生の頃は人を面白くしたい一心で一人コントを考えて実践したことを思い出す。本章の話に移る。実際に漫才を考えて、クラスで披露もしたのだが、その結果は、何ともほっこりするものだった。

エピソード3「面倒な奴」
クラスの日常には「事件」がついて回る。本章では些細なことから大喧嘩になったエピソードが綴られている。周囲から見たら「ほんの些細なこと」といえてしまうのだが、当事者たちにとってみては「一大事」である。

エピソード4「体育祭あるある① 「チーム・ナポレオン」結成」
中学校最後の体育祭のシーズン。学校によっては開催時期が異なるのだが、私の学校は秋だったことを記憶している。中学校の体育祭は短距離と長距離とをやったのだが、練習までがつらかった一方で、部活の後輩たちの声援が何とも言えなかったことを思い出す。
私事はさておき、本章では体育祭に向けての準備としてのチーム結成について取り上げている。

エピソード5「体育祭あるある② 体育委員たちの憂鬱」
体育委員になると、体育祭に向けての準備がもっぱらであるのだが、その中でもクラスとして体育祭の参加をどうするのかも考えなくてはならないという。

エピソード6「漫才チームの結成」
学校によって異なるのだが、中学3年生のイベントとして修学旅行がある。本書では秋頃に行われ、その中の出し物としてクラスで大受けした漫才をやるのだという。その漫才のネタづくりから、披露に至るまでのプロセスを綴っている。

エピソード7「そして、受験生になる」
中学3年生として避けて通れないことは「受験生」であることに尽きる。高校に進学するためには受験勉強が必要である。その受験勉強の苦難の日々、そして志望校を決めることと三者面談について取り上げている。

エピソード8「キモチワルイのは誰か」
勉強の日々は続いていった。その中で友達と勉強の繰り返しだったのだが、その中でもいざこざが起こってしまった。どの様ないざこざなのかを表している。

エピソード9「一ノ瀬拓馬の物語」
本書の主人公の物語であると同時に試験本番と将来について取り上げている。正直言って胸が突まされる思いだった。がんばっても報われない歯がゆさ、そして家庭の事情など、本当の意味で「色々」なことがあった。

15歳は繊細な時期である。ほんの些細なことかもしれないのだが、当時にとっては大きな出来事なのかもしれない。私が15歳の時に何をしていたのか、そのことを思い返した一冊だった。