偽りのラストパス

バスケ部の主人公の家に不良が居候し始めたときから物語が始まる。青春を謳歌している主人公と、狼藉を行う不良。その2人の関係にも変化が訪れ、不良が遺体で発見されたという、最悪の展開に発展してしまう。

その最悪な展開となったきっかけはいったいどこにあるのか、本書ではその謎を追っている。ミステリー作品に分類しており、なぜ殺されたのか、そしてその殺しまでのトリックとはどこにあるのか、そしてその動機は何なのか、謎を解き明かしていく内に、中学ならではの事情と家族、さらには仲間などの絆が問われている一冊と言える。

本書はその青春とミステリーの狭間で登場人物がもがいているような気がしてならなかった。しかし本質は違えど「もがくこと」こそが思春期そのものであるのかもしれない。そのもがき続けてきた先に「絆」とは何かを見出せるのだから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました