もしも人類滅亡まで残りの時間がわずかになってしまったらどうするか。あり得ないことなのかもしれないのだが、生きていると文字通り「何が起こるのか分からない」、そのような状況になることさえもあり得る。終末と呼ばれるなかで何をするのかというのもけっこうお決まりの物語としてある。
しかし本書はそうではない。滅亡までのカウントダウンが進むなかで主人公の姉が殺されたのだが、その犯人を探すというミステリー作品である。もっともミステリー作品と終末というと、あまり相容れられるような組み合わせでもないイメージがある。しかし本書を見ていくと、それらの組み合わせが面白いように組み合わさるようでいてならなかった。
ミステリーとしての結末はさておき、ありもしない2つの組み合わせが良くも悪くも面白い形で楽しめることができた一冊であった。
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