オブジェクタム

「オブジェクト(object)」は簡単に言うと「物体」や「目的」など様々な意味で捉えられる。プログラミングを行っている方々であれば耳が痛いほど聞く言葉なのかもしれない。

では本書のタイトルと表題作であるのだが、造語であることは分かるのだがなぜ「タム」と表現したのかが謎であった。その謎は思い出に残る品々や場所を辿っていって、記憶の断片を辿って事件の謎を解き明かす、ある種のミステリー作品とも言えるのだが、辿った「オブジェクト」そのものが過去・現在・未来へと一つの線になったと言える一冊と言える。

表題作の他にも短編・中編と1編ずつあり、合計3編取り上げられている。特に表題作は何とも言えない感覚に陥る。もっともどのようなジャンルになるのかと考えてしまうのだが、本書ほどジャンルの壁に当てはめようとすることができない作品はない。また読み手によって解釈も大きく変わるところもまた本書の魅力としてあるかもしれない。賛否両論の一冊であるのだが、今まであった小説の概念に一石を投じた一冊であることは間違いない。

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