3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

著者の鈴木様より献本御礼。
「戦略」の在り方・手法は時代と共に変わってくる。本書はその戦略について古代から現代に至るまでのことを取り上げているのだが、どのような戦略を行ったのか、戦争もあれば、商業的な競争に至るまでのことについてを、タイトルに「図鑑」と冠しているだけあり、図や漫画などもあり、分かりやすく提示している。

第1章「古代・中世・近代の戦争戦略」
孫子やカエサル、チンギス・ハンやマキアヴェッリといった人物が提示した戦争戦略を取り上げており、どのように戦争に勝利したのか、その内容も取り上げている。

第2章「競争戦略」
企業、あるいは業界や市場、さらには組織などビジネスにおける「戦略」は戦争における「攻撃」や「防御」の役割も含まれている。そのなかで組織・人・会社など様々な分野における戦略方法を紹介している。

第3章「競争を避ける競争戦略」
「戦略」は何も競争や戦争を行うためのものだけではない。競争を「避ける」こともまた戦略としてある。本章ではそのことを紹介しているのだが、戦略のなかでも最も有名な「ランチェスターの法則」や「ブルー・オーシャン戦略」も本章にて含まれている。

第4章「産業構造の戦略」
戦略は内容によって「産業」の構造そのものを変えることも出来る。実際に世界的に活躍している企業の代表的な戦略もまた産業構造を変えていくための戦略を取り上げているのが本章である。

第5章「実行の戦略」
経営をするにしても、事業を行うにしても「戦略」はつきものである。そのつきものである「実行」をいかにするべきかの戦略があるのだが、特段の「○○戦略」と言うよりも、いかにして戦略を「実践」するかにかかっている。

第6章「イノベーションの戦略」
企業や組織などビジネスにまつわるところの多くは「イノベーション」を求める。そのイノベーションを果たすためにもまた戦略がある。本章ではドラッカーをはじめとしたイノベーション戦略を取り上げている。

第7章「IT時代の戦略」
ITが広がりを見せてから戦略の在り方も変わっていった。それはビジネスモデルやプラットフォームもここに来てできはじめたことも挙げられ、それらを駆使してGAFAといったITをはじめ、世界的な影響力を持つ企業も続々とできた要因にもなった。

第8章「戦争戦史」
戦争にも歴史があり、そもそも世界的には歴史は戦争によってつくられたと言っても過言ではない。もっというと産業や技術などの革新もまた戦争とともにつくられた産物とも言われている。その戦争の歴史はどのようなものがあり、その戦争を通じてどのような戦略が生まれたのかを取り上げている。

戦略にも歴史があり、それが今もなお通じるものもある。もちろん自分自身についても、ビジネスについても当てはめてみて最適な戦略はどのようなものがあるのか、またそれらを応用して新しい戦略を生み出すという参考資料になる一冊と言える。