ベストセラーの値段 お金を払って出版する経営者たち

著者の水野様より献本御礼。
私自身本屋に行くことが良くあるのだが、その中で「ベストセラー」と呼ばれる本はいくつか存在する。その中にはネームバリューだけで売れている本もあれば、ちゃんとした内容で売れている本など様々であるのだが、どちらかというと現状前者の方が多いのが感触としてある。

もっともベストセラーはどのようにして生まれるのか、そしてどのような価値があるのか、著者は長年出版セミナーを主宰し、なおかつプロデュースも行っており、自らも数多くの本を上梓した実績から出版業界・ビジネスについて、そしてベストセラーについてを紐解いている。

第1章「出版業界に未来はあるのか」
この頃「出版不況」と呼ばれて久しいのだが、その不況の現状を出版の「内部」から見ているのが本章である。もっとも内部でしか見られない現状がありのまま映し出しており、その中で糸口があるのかと言うことを考えてしまう。

第2章「投資としての出版ビジネス」
もっとも出版への門戸は全体的に見たら広いかもしれないが、これはあくまで自費出版も含めた中のことであり、キチンとした出版社から出すいわゆる「商業出版」になってくると、逆に門戸は狭い。そのため出版できることが決まるまでも道のりは長く、それが決まってから執筆し、発売するまでも険しい道のりである。しかしながらその長い道のりをへて出てきた本によって大きな広告塔をもたらすことができる。もちろん売上も必要であるのだが、その出版を通して著者となり、自身の価値を引き上げられるようになる。

第3章「作られたベストセラーたち」
ベストセラーというとビジネス書の世界では実業家の堀江貴文氏とメンタリストのDaiGo氏の2人とされている。その2人はどのようにしてベストセラーを「作っている」のかを明かすと共に、ベストセラーとビジネスとの関連性についても取り上げている。

第4章「ベストセラーの作り方~出版のやり方編~」
ベストセラーをいかにして作っていけば良いか、本章と次章に渡って取り上げている。前半は主に出版するまでの道のりでどのような出版を行ったら良いか、そして出版にこぎ着けるまでに何をしたら良いのか、そしていくら必要なのかなどを伝授している。

第5章「ベストセラーの作り方~効果的な販促編~」
出版しただけではもはや売れない現状である。その売れないを「売れる」にするためには販促(販売促進)がカギとなる。その販促というとどのようなものなのか、書店の平積みにする、ファンを動員するなどの方法があるのだが、他にもここでは書けないような方法まで列挙している。

1日に200冊ほど出ている本であるのだが、その中で売れているのは一握り、さらにベストセラーと呼ばれる本は「ひとつまみ」にも満たないほどである。そのような出版業界の中でどのようにベストセラーを生み出していけるのかのメカニズムを知るだけでなく、昨今の出版業界の現状も併せてわかる一冊であった。

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