おてんとうさんに申し訳ない 菅原文太伝
菅原文太が逝去して5年の月日が流れた。戦後になってから芸能界に入り、俳優として大成した人物でもある。もっとも俳優としては任侠映画や実録映画といった種類、とりわけ「仁義なき戦い」シリーズは代表作にもなったほどである。その菅原文太が生誕から俳優になり、2014年に逝去するまでの生涯について「評伝」という形で取り上げたのが本書である。 第一章「俳優になるまで」 菅原文太は1933年、宮城県仙台市に生まれ […]
菅原文太が逝去して5年の月日が流れた。戦後になってから芸能界に入り、俳優として大成した人物でもある。もっとも俳優としては任侠映画や実録映画といった種類、とりわけ「仁義なき戦い」シリーズは代表作にもなったほどである。その菅原文太が生誕から俳優になり、2014年に逝去するまでの生涯について「評伝」という形で取り上げたのが本書である。 第一章「俳優になるまで」 菅原文太は1933年、宮城県仙台市に生まれ […]
昨年のクリスマスに水曜どうでしょうの新作が5年ぶりに放送された。内容よりも新作が放送されたことに感慨を覚えてならない。リアルタイムでは2005年に放送された「激闘!西表島」と2007年に放送された「ヨーロッパ20ヵ国完全制覇 完結編」をよく覚えている。それ以外は過去に放送されたリバイバルか、あるいはDVDを観ることがある。もちろんどうでしょうは好きである。 私事はさておき、本書の話に入る。水曜どう […]
3人の女たちの物語が同時進行で進んでいき、ある事件をきっかけに3つの同時進行の線が1本に交わると言う物語である。その3人の境遇は全くと言ってもいいほど異なっており、その異なっているなかには、とある「関係」が築かれているという。 その事件の真相とはいったい何か、そして境遇の全く異なる3人の接点とはいったい何なのかと言うのを取り上げているが、その真実が迫っていくなかで、女性の生きざまを観ているようでい […]
「本を読むのが苦手」と言う人は少なくない。かつて「蔵前トラックチャンネル」のYouTubeチャンネルで取り上げていた時のこと、そういった悩みを抱えるメール、あるいは実際に出会う方々のなかにもそういった人から「私、本が苦手で、どうやったら沢山読めるんですか?」と質問されることもあった。 本の読み方は人それぞれであり、私のように多読になれと言うことは言わないし、1ヶ月に1冊だけ読むと言う方もいてもいい […]
「オブジェクト(object)」は簡単に言うと「物体」や「目的」など様々な意味で捉えられる。プログラミングを行っている方々であれば耳が痛いほど聞く言葉なのかもしれない。 では本書のタイトルと表題作であるのだが、造語であることは分かるのだがなぜ「タム」と表現したのかが謎であった。その謎は思い出に残る品々や場所を辿っていって、記憶の断片を辿って事件の謎を解き明かす、ある種のミステリー作品とも言えるのだ […]
今でこそ「学習院」は幼稚園から大学に至るまでの網羅している学校法人の一つとしてあり、有名な私学の一つとして挙げられる。学校法人となったのは戦後に入ってからのことであり、それ以前は旧宮内省の管轄のなかでできた国立学校であった。戦前の学習院は「華族の学校」として、そして軍高官の通う学校としてあった。その旧宮内省の管轄だった学習院はどのような変遷を辿っていったのか、そのことについて取り上げている。 第一 […]
本書のタイトルからしておぞましさが全開である。もっとも登場人物も外面は「観音様」のごとく人間離れした美しさを持っていた。しかしその内面は、人倫を完全に踏み外した行為を行うと言うものである。 もちろんその行為自体もタイトル負けどころか、それ以上のおぞましさがあり、見ているだけでも、怖さがあった。ホラーの要素があるのだが、あまりのおぞましさがそのホラーを引き出しているように思えてならなかった。 そう思 […]
2019年9月に「みとりし」という映画が公開された。この映画は「看取り士」と呼ばれる、介護をしながら最期を看取る方のことを取り上げている映画である。その映画の製作にあたった人物が著者であるのだが、その著者もまた看取り士である。看取り士としての仕事、そして看取り士がいることの重要性、そして看取り士と周囲の方々とのエピソードを余すところなく綴っている。 1.「あなたが今そこにいることが大切です」 看取 […]
「水槽」という言葉が何とも言えない感覚に陥る。本書の話は高校生4人が織りなす物語であるのだが、その物語は複雑に入り交じって、息の仕方が分からないほどの苦しさがあり、なおかつ狭い世界のなかで入り交じることによって「水槽」と見立てられるようなことも考えられる。 高校生は思春期の先の「青年期」にあるのだが、まだまだ悩み多き時期であり、なおかつ高校と家族などのなかでの人間関係を織りなす様なことが多くある。 […]
ディエゴ・ベラスケスと呼ばれる画家はスペイン絵画の黄金時代を支え、フランスの著名な画家であったエドゥアール・マネが絶賛したほどの存在だった。と同時に宮廷画家として活躍しながら、宮廷の中枢として活躍した人物でもあった。 そのベラスケスの生涯はどのようなものか、画壇、そしてスペインの王宮ではどのような存在だったのか、その生涯を追っているのが本書である。 Ⅰ.「画家の誕生」 ベラスケスが誕生したのは15 […]