MONTH

2020年2月

ゆるキャラの恐怖 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活3

ゆるキャラというと、この言葉が定義されてはじめたのは2004年になってからであるのだが(みうらじゅんと扶桑社によって商標登録されたことから)、実際に使われ出したのは2007年からのこと。ひこにゃんによってもたらされた。それから全国津々浦々にてオリジナルのゆるキャラがつくられ、「ゆるキャラまつり」や「ゆるキャラグランプリ」と言った催しまでできてきた。やがてこれが派生し地元に密着した「ご当地キャラ」も […]

自然に学ぶ

本書の著者の名前を見てピンと思い浮かんだ人もいるかもしれない。もっとも本書の帯にも書いてあるのだが、今からちょうど20年前の2000年にノーベル化学賞を受賞した方である。その白川氏が自身、そして研究者としての人生を振り返りながら、科学の愉しさをエッセイとして綴った一冊が本書である。 1.「自然に学ぶ」 長らく科学的に研究を続けていった中で新たな発見を見出すことができるようになる。と同時に科学におけ […]

いのちを救う災害時医療

「災害(天災)は忘れた頃にやってくる」と言う言葉がある。しかしながらここ最近では忘れていないときにもやってきており、特に台風は毎年のように上陸しており、場所によって甚大な被害をもたらす。昨年上陸した台風15・19号は今もなお爪痕を残している。 そこで本書である。災害発生時に、医療は大事になってくる。災害により怪我を負う、あるいは二次災害における病気なども発生することも往々にしてある。その中で災害時 […]

アグリカルチャー4.0の時代 農村DX革命

農業というと、最近のニュースでは良い話を聞くことがほとんどない。農家というと、困窮してしまい、農業を廃業する方々も出てきているという。またここ最近では災害により、収穫も落ちてしまうといったことも目にする。その一方で企業が農業に進出し、「農業のビジネス化」といった動きも見せているのもまた事実としてある。 本書はその中でも「スマート農業」という農業をデジタル的な観点で技術革新を起こし、新しいビジネスと […]

将軍家康の女影武者

様々な時代の中で愛する人・国のために闘う女性がおり、なおかつ創作でありながらも、それを描く作品も数多くある。本書は戦国から江戸時代初期にかけて活躍したある側室の女性を中心とした物語である。 その主人公は卯乃とあるが、史実では「英勝院」がこの人物にあたる。通称は「梶(八)」と呼ばれ、史料にも「梶」と呼ばれることが多々あった。また本書の表紙には戦の甲冑を着た女性の姿であるのだが、実際に関ヶ原の戦いや大 […]

AIが変えるお金の未来

AIにしても、お金にしても、自身に変化があるだけでなく、その変化により私たちの生活の変化にも大きく関わってくる。お金の未来となると、昨年の10月の消費税が10%に引き上げられたのをきっかけにキャッシュレスの推進が図られるようになった。またここ最近ではIoTなどによるAIの技術の進歩もある。本書はそのAIとお金、それぞれの未来と私たちの生活がどのように変化していくのか、フィンテックとともに取り上げて […]

小泉信三―天皇の師として、自由主義者として

本書で取り上げる小泉信三は経済学者であり、本書のサブタイトルにもある「天皇の師」でもあった。その「天皇」は現在の上皇陛下であり、戦後間もない時に教育掛となった経緯がある。こちらの詳細については第4章で詳しく述べることにするのだが、経済学者として、上皇陛下の教育掛として活躍した小泉信三の生涯を評伝として取り上げたのが本書である。 第1章「父と修学時代」 小泉信三の父は小泉信吉(こいずみのぶきち)であ […]

40歳までにコレをやめる

当ブログの「管理人紹介」で生年月日を明かしているのだが、私は現在34歳である。今年35歳を迎えるため、四捨五入するといよいよ40代、俗に言う「アラフォー」の仲間入りを果たすこととなる。実際に40歳になるまではあと6年であるのだが、もっとも毎日当ブログを更新していくとあっという間に迎えてしまう。 私事はここまでにしておき、本書の話に移る。文筆家・エッセイストの著者は1980年生まれで今年40歳になる […]

大阪ミナミの子どもたち―歓楽街で暮らす親と子を支える夜間教室の日々

大坂には色々な歓楽街がある。中でも最も大きな歓楽街というと「ミナミ」と呼ばれる所がある。飲み屋も多いのだが、買い物スポットとしても有名である所である「教室」が存在している。その名も「Minamiこども教室」。そこでは様々な問題を抱える子どもが救いの手を受けると言う場所で、もちろん勉強も行われる。なぜこども教室が開かれたのか、そしてこども教室を通じて伝えたいこととはいったい何なのかを綴っているのが本 […]

となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS

つくづく日本は「難民鎖国」と呼ばれている。一昨年に「難民鎖国ニッポンのゆくえ」でも取り上げたのだが、難民申請は多数いる。しかし実際に受け入れられたのは5%にも満たないと書いたのだが、2018年の法務省による統計では難民申請は10,493人に対し、難民認定、あるいは庇護を受けた人はわずか104人と文字通り1%だけで、タイトルにあるように99%は認められていない。 本書の著者は外国人支援団体の主宰で、 […]